待ちに待った「Galaxy Z Fold4」をついに入手!
紆余曲折あり、今回は「Qoo10(キューテン)」というECサイトで「韓国版」を購入した。
eSIMが使えるようになった今回の韓国版はおトク度が高いかと思う。
さてGalaxy Z Fold4では、
- TSMC製造のSoC搭載
- 省電力ディスプレイ & 比率変更
- メインカメラ・望遠カメラの強化
など、先代モデルの「Galaxy Z Fold3 5G」から変化したポイントがいくつかある。
当初は「これだけしか変化なしか」などと思っていた。
しかし実際に使ってみると、
これらは快適性に大きく影響していることを体験できた。
そんな素晴らしいスマホ「Galaxy Z Fold4」を一般的なスマホと比較しながらご紹介したいと思う!
Galaxy Z Fold4 のスペックをチェック!

基本スペック比較表(比較機・前世代)
iPhone SE3 (比較機) | Galaxy Z Fold3 | Galaxy Z Fold4 | |
---|---|---|---|
発売 | 2022年3月18日 | 2021年8月27日 | 2022年8月26日 |
初期OS | iOS 15.4 | OneUI 3.1.1 Android 11 | OneUI 4.1.1 Android 12L |
SoC | A15 Bionic | Snapdragon 888 | Snapdragon 8+ Gen1 |
RAM | 4GB | 12GB | 12GB |
ストレージ | 64GB 128GB 256GB | 256GB 512GB | 256GB 512GB 1TB |
重さ | 144 g | 271 g | 263 g |
高さ | 138.4 mm | 158.2 mm | 155.1 mm |
幅 | 67.3 mm | 128.1 mm(開) 67.1 mm(閉) | 130.1 mm(開) 67.1 mm(閉) |
厚み | 7.3 mm | 6.4 mm(開) 14.4~16 mm(閉) | 6.3 mm(開) 14.2~15.8 mm(閉) |
画面 | サイズ:4.7インチ 最大輝度:625 nit (標準) | サイズ:7.6インチ(開) 最大輝度:1200 nit (最大) カバー:6.2インチ | サイズ:7.6インチ(開) 最大輝度:1200 nit (最大) カバー:6.2インチ |
リフレッシュレート | 60Hz | メイン:120Hz (10~120Hz) カバー:120Hz | メイン:120Hz (1~120Hz) カバー:120Hz |
解像度 | 750 × 1,334 | 1,768 x 2,208 832 x 2,268 | 1,812 x 2,176 904 x 2,316 |
バッテリー容量 | 2,018 mAh | 4,400 mAh | 4,400 mAh |
充電 | 有線:最大20W 無線:最大7.5W 逆充電:- 端子:Lightning | 有線: 最大25W 無線:最大15W 逆充電:最大4.5W 端子:Type-C | 有線: 最大25W 無線:最大15W 逆充電:最大4.5W 端子:Type-C |
防水 | IP67 | IPX8 | IPX8 |
SIM | eSIM対応 nanoSIM × 1 | eSIM対応 nanoSIM × 2 ※販売国で異なる ※日本はnanoSIM × 1 | eSIM対応 nanoSIM × 2 ※販売国で異なる ※日本はnanoSIM + eSIM |
Wi-Fi | a/b/g/n/ac/6 | a/b/g/n/ac/6e | a/b/g/n/ac/6e |
Bluetooth | 5.0 | 5.2 | 5.2 |
FeliCa | ○ | ○ ※日本モデルのみ | ○ ※日本モデルのみ |
SDカードスロット | – | – | – |
フルセグ/ワンセグ | ×/× | ×/× | ×/× |
イヤホンジャック | – | – | – |
セキュリティ | 指紋認証 | 指紋認証 顔認証 | 指紋認証 顔認証 |
Galaxy Z Fold4はタブレット向けOSの「Android 12L」をベースとした「OneUI 4.1.1」を搭載。
そのため大画面での使い勝手がより向上している。
本体サイズはやや変更があり、縦が短く幅が広くなった。
画面比率も若干の変更があり少し幅広の比率になっている。
それに伴い、カバーディスプレイはやや普通のスマホ比率に近づいた。
ディスプレイは比較機のiPhone SE3と比べてみると、同じ「スマホ」というカテゴリーの商品であるがかなり大画面であることがわかる。
他にも、
「SoCの強化」や「軽量化」
なども見逃せない強化ポイントとなる。
対応バンドについては下記を参照のこと。

カメラスペック
iPhone SE3 | Galaxy Z Fold3 | Galaxy Z Fold4 | |
---|---|---|---|
超広角 | – | 有効画素数:12MP F値:2.2 焦点距離:12mm センサーサイズ:1/3.6″ | 有効画素数:12MP F値:2.2 焦点距離:12mm センサーサイズ:- |
広角 | 有効画素数:12MP F値:1.8 焦点距離:28mm センサーサイズ:- 手ぶれ補正:OIS | 有効画素数:12MP F値:1.8 焦点距離:26mm センサーサイズ:1/1.76″ 手ぶれ補正:OIS | 有効画素数:50MP F値:1.8 焦点距離:24mm センサーサイズ:- 手ぶれ補正:OIS |
望遠 | – | 有効画素数:12MP F値:2.4 焦点距離:52mm(2x) センサーサイズ:1/3.6″ 手ぶれ補正:○ | 有効画素数:10MP F値:2.4 焦点距離:67mm(3x) センサーサイズ:- 手ぶれ補正:○ |
フロントカメラ① | 有効画素数:7MP F値:2.2 | 有効画素数:4MP F値:1.8 ※メインディスプレイ側 | 有効画素数:4MP F値:1.8 ※メインディスプレイ側 |
フロントカメラ② | – | 有効画素数:10MP F値:2.2 ※カバーディスプレイ側 | 有効画素数:10MP F値:2.2 ※カバーディスプレイ側 |
動画撮影 (背面カメラ) | 4K 24/30/60fps 1080p 30/60fps スロー:120/240fps | 4K 30/60fps 1080p 30/60/120fps スロー:240fps スーパースロー:960fps ※スロー:1080p ※スーパースロー:720p | 8K 24fps 4K 30/60fps 1080p 30/60/120fps スロー:240fps スーパースロー:960fps ※スロー:1080p ※スーパースロー:720p |
動画撮影 (フロントカメラ) | 1080p 30/60fps 720p 30fps | 4K 30/60fps(カバー側のみ) 1080p 30/60fps 720p 30fps | 4K 30/60fps(カバー側のみ) 1080p 30/60fps 720p 30fps |
Galaxy Z Fold4のカメラは、
- 望遠が3倍に強化
- メインが50MPに強化
となっている。
50MPの高画素センサー搭載によって8K動画撮影に対応した。
そしてSamsungはメインカメラのイメージセンサー強化により、これまでより「ナイトグラフィー」が強化されたとしている。
実際に試してみたところ確かに大きな改善が見られた。
詳しくは後述の「カメラレビュー」項をご覧いただきたい。
望遠カメラは焦点距離が延びたことで、これまでより少し遠くのものが鮮明に写せる。
また、10倍までのデジタルズームだったのが30倍の「スペースズーム」に強化された。
スペースズームによってS20相当の月の撮影などが楽しめるようになっていた。
Galaxy Z Fold4 の外観をレビュー!

それではいよいよGalaxy Z Fold4本体をチェックしていこう。
ここでは、
- 開封・付属品のチェック
- 本体のデザインやボタンの役割
などをチェックしていく。
開封・付属品チェック!
まずは外箱をチェック!
今回のGalaxy Z Fold4では「Fold」のロゴがドーンと記された印象的なパッケージとなった。

では開封してみよう!
中に入っているのは本体のほかケーブルやSIMピン、クイックマニュアルのみ。

充電に必要なケーブルは付属するものの、充電器は付属せず。
充電器を買う場合は、急速充電ができる「PPS」対応の純正品などがおすすめ。
純正急速充電器
純正ワイヤレス充電器
もちろんケースも付属していない。
高価なスマホなのでしっかりガードできるケースもチェックしておいた方がいいと思う。
メイン・カバーディスプレイやFold3との比較
メインディスプレイ
メインディスプレイはリフレッシュレート120Hzの有機ELディスプレイ。
サイズはなんと7.6インチと、タブレットのようなサイズ感!

色は鮮やかに表示され、黒は発光させない仕組みでより黒く深みのある表現ができる。

また本機ではディスプレイに、透過度が高く省電力なパネル「Eco2 OLED Plus」を搭載。
後述するバッテリーテストでは先代モデルのGalaxy Z Fold3 5Gより駆動時間を伸ばしている。
メインディスプレイの比較
メインディスプレイはカバーディスプレイの比率変更に伴いやや縦が短くなった。

縦スクロールで読むコンテンツなどでは僅かに情報量が減ってしまうかなという感じ。
しかし、カバーディスプレイはデメリットを吹き飛ばすくらいには使いやすくなったかと思う。
アンダーディスプレイカメラの比較
メインディスプレイのフロントカメラは画面の下に埋め込まれている。
ただしカメラを隠す部分のディスプレイが密度が荒かった。

だがUDC(アンダーディスプレイカメラ)部分の表示密度は大きく改善され、写真や動画を表示させたときはかなり目立たなくなった。
折り目の比較
折り目は若干緩和されたような…気がする。


写真などを表示させてみてもやや目立ちにくい印象を受けた。
カバーディスプレイ
大きく変化したと感じたのはカバーディスプレイ。

詳しくは後述しているが、一般的なスマホに近い横幅になったため、前モデルよりかなり使いやすくなった印象だ。
もちろんリフレッシュレートは120Hz。
ちなみに今回もカバーディスプレイはペンは非対応となる。
ペン対応はメインディスプレイのみだ。
カバーディスプレイの比較
カバーディスプレイは縦が短くなりヒンジ側ベゼルが薄くなって大きく洗練された印象に変化した。

少し一般的なスマホの比率に近づいたことや横幅が広がったことでキーボードが広くなり、文字入力などの使い勝手も向上している。

細長いと評判?のXperiaと並べてみるとこんな感じ。

ややXperiaに近いサイズ感になった。
筆者はしばらくFold4のカバーディスプレイを触っていると、なんだかFold3が野暮ったく見えてきてしまうように…。
バックパネル・カメラ
今回選択した「ファントムブラック」の背面パネル。

背面パネルはサラサラのマット仕上げになっている。
カメラ周りのデザインはFold3から変化がないように見えたが、実は大きくなっている(後述)。

隆起はちょっと大きめ。

実は隆起の横に動画用マイクも隠れていたりする。
小さなスリットがあるのがおわかりいただけるだろうか。
バックパネル・カメラ部分をFold3と比較
これまで使ってきたFold3もファントムブラック。

バックパネルの雰囲気は特に変わらない。
しかしカメラは比べるとハッキリと巨大化していることがわかった。

メインカメラや望遠カメラの強化によりこうなってしまったのだろう。

明らかに出っぱりも大きくなっているのだが、筆者は使ってみて気になるというほどでもなかった。
サイドフレーム・ボタン・端子・ヒンジ
サイドフレームの仕上げはツヤツヤのメタリック。
見た目は悪くないのだが、指紋はつきやすい。
上部

上部にはスピーカーやマイクの穴が見える。
下部

下部はUSBポートやマイク、スピーカーホールが備わる。
右側

右側面はボリュームボタンやパワーボタン。
左側

左にはSIMトレーがある。
今回レビューする「韓国版」ではnanoSIMが1枚にeSIMという仕様となる。
Fold3までは「韓国版は安いけどデュアルSIMが使えない」という声があったが、今回からは「安くてデュアルSIMも使える」という製品に。
ちなみにFold4香港版はnanoSIM × 2、グローバル版はさらにeSIM対応という具合にさらに強力な仕様だったりする。
日本版も韓国版と同じく、ついにeSIM対応で、韓国版と同じくeSIMと物理SIMのデュアルSIM仕様となった。
ヒンジ

ヒンジ部分はFold3のファントムブラックとは違い、シルバー寄りの色合い。
ヒンジを比較

Fold3ではもっと濃い色だったのがかなり薄くなった。
まあ、どっちが良いというほどでもない感じで、どっちもカッコいい。
Galaxy Z Fold4 の処理性能をベンチマークで確認!

続いてGalaxy Z Fold4の処理性能を「ベンチマークアプリ」で数値化してみよう。
ベンチマークテストでは、
- 総合処理性能のチェック
- ストレージスピードのチェック
をおこなう。
そして、
- 前モデルとの性能比較
- 普及モデルとの性能比較
をすることで、
- 「前のモデルから機能向上しているか?」
- 「普通のスマホとどのくらい違うのか?」
を確認していく。
AnTuTuベンチマーク
Galaxy Z Fold3 5Gと比べてみると、処理能力は大幅アップとなっている。
ベンチマーク中の温度はどちらの40℃程度まで上昇した。
Galaxy S22 Ultraの「Snapdragon 8 Gen 1」とGalaxy Z Fold4の「Snapdragon 8+ Gen 1」を比べるとややスコアはアップしているがそこまで性能差は無いようだ。
AnTuTuベンチマークストレージテスト
SoC性能と共にストレージ速度もやや高速化されていた。
特に、
書き込み性能が強化されている
という測定結果となった。
基本性能がしっかりと強化されているのは喜ばしい。
発熱具合をチェック
発熱具合はどんな感じかな?とチェックしてみると驚くべき結果となった。
チェック方法はAnTuTuベンチマークアプリのCPUモニター機能を使い、ポップアップ表示させて「カメラアプリ」を使用するというもの。
ちなみにエアコンの温度は28℃だ。

ご覧のようにカメラアプリで動画撮影状態をモニターした。
Samsungが製造するとされる「Snapdragon 888」を搭載したGalaxy Z Fold3 5Gでは平均して50℃を超えている。

対するTSMC製「Snapdraon 8+ Gen 1」を搭載するGalaxy Z Fold4は40℃付近を推移した。
2台のSoCが組み込まれているカメラ付近に触れてみるとハッキリと温度差を感じる。
Galaxy Z Fold3 5Gの方はしばらく動作させているとヒンジ付近にまで熱が伝わってきた。
温度上昇は「サーマルスロットリング」よる性能低下が起こりやすくなり、使っている時の不快感も高くなる。
ひとまず「カメラ」での温度テストでは「SoC起因による発熱の影響は大きい」と考えられる。
同じくTSMC製のSnapdragon 865では?
Snapdragon 8+ Gen 1と同じくTSMCが製造する「Snapdraong 865」だとどんな感じなのかもチェックしてみた。
機種は「名機」と言われる「Xperia 5 II」だ。
こちらでも動画モードにセット。

そしてAnTuTuで温度をチェックしてみた。

するとSnapdragon 865を搭載したXperia 5 IIでも40℃付近という結果に。
ちなみにSnapdragon 865のベンチマークスコアは「約65万点」。
Snapdragon 8+ Gen 1はおよそ「100万」を出す性能で同じくらいの温度。
ということを考えるとSnapdragon 8+ Gen 1がいかに凄いかわかる。
またさらにSamsung製の「Snapdragon 845」を搭載したPixel3でもテストしてみると、やはり50℃オーバーとなった。
やっぱりTSMC製が良さげなのか。
そしてやはりSamsung製のSoCはハズレなのか…。
ということで「Galaxy Z Fold4」は「アタリ」のフォルダブルスマホと言えそうだ。
Galaxy Z Fold4 のバッテリー駆動時間を確認!

強力な処理性能や低発熱を見せつけてくれた「Galaxy Z Fold4」。
快適な動作を約束してくれるものであるが、バッテリーの駆動時間も快適性の重要な要素だ。
ということでここでは、先代モデルと普及モデルと駆動時間を比較チェックしてみた!
テスト条件
- 残量100%から0%までの時間を計測
- テストは「ストリーミングビデオ再生」
- 使用アプリは「Abema TV」と「Battery Mix」
- メインディスプレイで計測、120Hz、輝度50%
- iPhoneは「スクリーンタイム」での計測
- Galaxy Z Fold3 5G:4400mAh
- Galaxy Z Fold4:4400mAh
- iPhone SE3:2018mAh
駆動時間をチェック!

まずは先代のGalaxy Z Fold3 5G。
駆動時間のテスト結果はおよそ「9時間50分」となった。

続いて省電力ディスプレイやTSMC製SoCを搭載するGalaxy Z Fold4。
Galaxy Z Fold4はおよそ「10時間20分」ほど駆動した。


最後は普及モデル代表のiPhone SE3。
iPhone SE3は左右の合計でおよそ「9時間10分」ほどとなる。
バッテリーは小型だがディスプレイも小型で60Hzなので有利だ。
テスト結果をまとめると以下となる。
- Galaxy Z Fold4:およそ10時間20分
- Galaxy Z Fold3 5G:およそ9時間50分
- iPhone SE3:およそ9時間10分
ストリーミングビデオのテストではGalaxy Z Fold3 5Gより「0.5時間ほど伸びる」という結果となった。
SoCの省電力も多少あるとは思うが、ここはGalaxy Z Fold4に搭載された新パネル「Eco2 OLED Plus」による省電力が効いているのかもしれない。
処理が多くなるゲームやブラウジングなどではさらに伸びるという報告もある(5chで紹介されてたYouTubeで見たような…)。
Galaxy Z Fold3 5Gより使いやすくなっていることは間違いないと言える。
実使用の体感では「かなり良くなった」と感じている。
Fold3では夜までに一度充電をしていたが、Fold4では寝る前に充電すればOKという感じに。

朝9時ごろから使い始め、ちょこちょこ使ったのだが0時時点でまだ余力がある。
ただ、Galaxyで設定できる「バックグラウンドでの使用を制限」に普段使わないアプリや通知を出さなくていいアプリを入れたり、Fold4でできるようになった「パフォーマンスプロファイル」を「ライト」に設定したりしている。
Galaxy Z Fold4 のディスプレイをレビュー!

メイン・カバー共に120Hz


Galaxy Z Fold3 5Gに引き続きメインディスプレイ・カバーディスプレイ共に120Hzのリフレッシュレートに対応する。
ブラウジングやSNSなど、各所でスムーズな動作を味わえる。
Galaxy Z Fold4のメインディスプレイでは1Hz~120Hzの可変リフレッシュレートに対応し、さらに省電力製を高めた。
ちなみにGalaxy Z Fold2 5Gまではカバーディスプレイが60HzだったがFold3から120Hzとなった。
通常サイズのスマホとサイズを比較
一般的なスマホとどれくらい画面サイズが違うのか?
ということで並べて置いてみた。
たたんだ時の「カバーディスプレイ」では以下のような感じ。

カバーディスプレイではiPhone SE3と比べて縦に大きいディスプレイとなる。
縦に長いディスプレイはスマホ向けウェブサイトやSNSなどの縦長コンテンツの閲覧がしやすい。
縦長ではあるが、横幅が改善され通常利用がしやすくなっているのが本機の特徴だ。
続いてメインディスプレイを見てみよう。

メインディスプレイはiPhone SE3を2台並べも足りないくらいの大きさになる。
Galaxy Z Fold4はタブレットに近いサイズとなり、写真や動画にゲーム、本などもスマホ一台で快適に楽しめる。
さらに絵を描く人やメモやノートを書きたい人も大画面で快適。
ほかにも、
- 株の値動きなどを大画面で追いたい
- マインドマップに思考をアウトプットしたい
- Lightroomなどで写真を編集したい
- Premiere Rushなどで動画を編集したい
といったことが普通のスマホに比べて格段にしやすくなる。
手元のデバイスでいつでもいろんなことができることを想像してワクワクしてくる人もいることだろうと思う。
「フレックスモード」でスタンドや三脚要らず
おりたたみのディスプレイだと便利なのが「スタンド」や「三脚」がなくてもある程度使えること。
Galaxyのおりたたみシリーズでは対応のアプリを起動した状態で半折りにすると「フレックスモード」となる。
「YouTube」では以下のような感じ。

動画が部分が自動的に上半分に表示され、テーブルに置いて楽しむことができる。

カメラもフレックスモードが使えると便利だ。
観光地などではどこかに置く場所さえあればみんなで写真を撮れる。
また、美しい夜景や星空を撮影するため長時間シャッターを開放する長秒露光などでは三脚が必須だ。
しかし、フレックスモードでは三脚がなくてもなんとかなる。

被写体が上方にある場合などでもプレビューの移動ができて融通が効く。

ただ「たためる」だけでなく、ソフトウェアも最適化されていることによって普通のスマホではできない便利な使い方が可能だ。
Galaxy Z Fold4 のカメラをレビュー!

Galaxy Z Fold4ではカメラが大きくパワーアップしていた。
日中など光量が足りている場所ではもはや変化がないが、問題は低照度。
Galaxy Z Fold4では低照度、
特に動画撮影で顕著な性能向上が見られた。
Galaxy S21 Ultraから搭載される「フォーカスエンハンサー」は非対応で残念ながらマクロ撮影はできなかった。
しかし「スペースズーム」にも対応し、Galaxy Z Fold3 5Gから基本スペックはグッと上がったと思う。
日中の撮影をテスト
シーン①
まずは日中の海辺で灯台に向かってテスト撮影をおこなった。
iPhone SE3のみ、やや時間帯がずれて雲が多くなっていることにご留意いただきたい。
どの端末においても綺麗に撮れており、GalaxyやiPhoneにおいてこのような条件ならあまり差は出てこなくなっている。
望遠カメラについてはGalaxy Z Fold3 5Gが2倍、Fold4が3倍になり、遠くのものをより引き寄せられるようになっている。
シーン②
続いて少し日が暮れた時間帯に撮影してみた。
曇り空もありやや暗いが、このくらいなら大きな差は出なかった。
シーン③デジタルズーム
日中最後の比較はデジタルズーム。
Galaxy Z Fold3 5Gに比べてFold4の「10倍デジタルズーム」がかなり綺麗になっていることがわかる。
また別日になるが、Galaxy Z Fold3 5GとFold4で月も撮ってみた。
Galaxy Z Fold4は月を認識すると強力に「手ぶれ補正」が働いたり「月の模様を記録できる」ようになっている。
Fold4は電線が被っていることにご留意いただきたい。
夜間の撮影をテスト
夜間では特に動画撮影で大きな差を体感した。
静止画ではなぜか同じような仕様である「超広角」の画質が良くなっていた。
動画の撮影では性能向上を顕著に感じた。
Galaxy Z Fold3 5Gでは暗所だとカクカクしてしまうがFold4は割とスムーズで画質も良い。
Fold3は明るさを確保するためフレームレートが下がり、感度をあげて、カクカクしたり画質劣化が起きてしまっている。
カメラ機能では特に、
- 望遠機能強化
- 夜間動画撮影能力強化
の2点が大きな進化ポイントだと思う。
Galaxy Z Fold4 のスピーカーをレビュー!

しっかりとした音質

前モデルGalaxy Z Fold3 5G、iPhone SE3を並べて聴き比べてみた。
iPhone SE3はさすがアップル製品というだけあって、最も廉価なiPhoneでありながら音質はなかなかの製品。
これまでiPhone SE3をGalaxy S22 Ultraなどとも比較したが、やはりiPhoneの方が「しっかりと鳴る」というイメージでGalaxyは「高音と低音がややあっさり」という感じであった。
しかし、おりたたみシリーズではiPhoneにも負けない音質だと感じる。
Galaxy Z Fold3 5Gに引き続き、Galaxy Z Fold4もなかなかの音質だ。
タブレットのSシリーズやiPadのように4つのスピーカーとはならず、縦向きだと少し音が偏る印象はある。
だが、スピーカーの品質は良好だと感じた。
多彩な音質調整機能が嬉しい
そしてGalaxyシリーズは細かなイコライザーができるのが特徴で、
イヤホンだけでなく内蔵スピーカーにも適用される。
好みの音質を作っておきいつでも切り替え可能だ。


Galaxy Z Fold4のしっかりとした音質のスピーカーに加えてイコライザーによる好みの音作りもできる。
これはなかなか強い…!
Galaxy Z Fold4 の生体認証をレビュー!

使いやすく精度の高いサイド指紋認証
Galaxy Z Fold4の指紋認証は電源ボタン一体型で本体右側に備わっている。
右手で持った時は親指でのロック解除がしやすい位置になる。

そして左手で持った時は中指がロック解除しやすいと感じた。

そのため筆者は、
- 右手親指
- 右手人差し指
- 左手親指
- 左手中指
の4本を登録した。
ちなみに標準設定では誤操作防止のため画面ロック時は「押し込むとロック解除」となる。
設定変更で画面ロック時も「触れただけでロック解除」とすることもできる。
おすすめは標準設定の状態。
指紋の読み取りについてはかなり高速でロック解除も快適だ。
また、登録時の読み取りもかなり早く、登録の面倒くささがやや緩和されたと感じた。
フロントカメラで顔認証も使える
Galaxyでは指紋認証の他にフロントカメラを使った「顔認証」に対応。
iPhoneのような高精度・高性能な顔認証ではないので認証精度やセキュリティも甘くなるが、顔認証に慣れた人には欲しい機能だろう。

標準設定では暗い場所で顔を検出するため画面が明るくなる。
だがこの機能はかなり眩しくてうっとおしい。
指紋認証を併用できるので、画面を明るくする機能はオフにして暗い場所では指紋でロック解除をした方がいいかと思う。
顔認証はフロントカメラ式ではあるが「顔も指紋もどっちも使える」というのは安心感がある。
Galaxy Z Fold4 の便利機能をレビュー!

マルチタスクがより便利に
Fold3や2などにものちに適用されると思うのだがFold4では「タスクバー」が利用できる。
そのためアプリの切り替えがしやすく、よりマルチタスクがしやすくなった。

タスクバーではホーム画面の最下段に置いた5つのアプリアイコンが何かアプリを開いた時にナビゲーションバーの横に並ぶ。
また2つまで使用したアプリアイコンが並ぶ(上記ではYouTubeとGalaxy Store)。
また左端にある・が9つ並んだアイコンをタップするとインストールされているすべてのアプリが表示される。

アプリアイコンはそれぞれドラッグ操作でかんたんに「アプリ分割」の画面にすることができ、マルチタスクがはかどる。
下記はSpotifyのアプリを「タスクバー」からドラッグしてきた様子。
こんな感じでドラッグした位置に分割表示させたり、中央にドラッグして分割表示させたりすることができる。
またまたできることが増えて覚えるのが大変だが、これまでの「エッジパネル」からの分割とあわせて使いこなしたい。
よく使うアプリは何か別のアプリを使用中でもすぐに起動や分割によるマルチタスクができるので、はかどること間違いなしだ。
Sペンでの手書きが便利
筆者が日常的に使って「便利だな」と感じるのが「Sペン」による手書き。
Galaxy Z Fold3 5Gから対応したペン入力で思ったことをいつでも記入できる。

ペン入力に対応するのは「メインディスプレイ」のみで変わらずだが、大きな画面でいつでも手書きできるのはとても快適。
Foldでの快適な手書きを体験すると、通常サイズのスマホに戻るのには抵抗を感じるほど。
PCモード「DeX」を搭載
実用度が着々と上がってきている「DeX」。
一部を除くハイエンドGalayはご覧のようにディスプレイと接続するとPCモードの「DeX」が利用できる。

マウスやキーボードも用意するとほぼ完全にPC。
Androidアプリをマルチウインドウで扱い、マウスやキーボードで操作可能だ。
VLLOでかんたんな動画編集やLightroomで写真を編集したり、ブログ執筆などに使ってみたがなかなかイケる。
ただ、やっぱりまだ操作性はPCに敵わず「頑張ればいろいろできる」という感じ。
できれば早く「快適にスマホ一台で完結できる」日が来ることを願う。
「タブレットもスマホもPCも、どうしてもスマホ一台で完結したい!」というミニマル思考な人には良いのかも。
「Good Lock」の豊富なカスタマイズアプリ
Galaxyには「Good Lock」というカスタマイズアプリが多数用意されている。
残念ながら日本では大半が利用できないが、その気になればかんたんな方法で突破可能。
また、最も人気がある、
- One Hand Operation +
- Sound Assistant
は「Google Play」や「Galaxy Store」で普通に入手可能だ。
「One Hand Operation +」は「ナビゲーションボタン」と「ジェスチャー操作」が両立できるほか、
- 片手モードを起動する
- ひとつ前のアプリに戻る
- スクリーンショットを撮る
など、指定したアクションをジェスチャー操作で実行できる。
また他にも、
- 仮想タッチパッドを使う
- ウィジェットをいつでも呼び出す
- 指定したアプリをポップアップで起動する
などなど、多彩な動作をワンアクションで実行できる。
「Sound Assistant」は音に関するカスタマイズができるアプリ。
- アプリごとの音量調節
- 音量の段階調節
などの細かい調整が可能だ。

総合評価
Galaxy Z Fold4のSoCは「Snapdragon 8+ Gen 1」と2022年最高性能のもの。
ベンチマークスコアの高さからも処理性能の高さが伺えるかと思う。
また発熱のテストでは処理性能だけではなく、低発熱で優秀なSoCであることがわかった。
やはりTSMCは偉大であった。
AIの判定や色付け・HDRなどソフトウェア処理は申し分ない性能。
望遠カメラは2倍から3倍となりやや遠くのものがハッキリ写せるようになった。
また夜間の動画性能がかなり良くなり高い満足度を得られた。
ただ、望遠が好きな筆者としてはやはり「ペリスコープ」が欲しい!
Galaxy S22 Ultraの超望遠をフォルダブルで持ち歩きたい。
他社では「フォルダブルにペリスコープ」という組み合わせのスマホも販売されているのでGalaxyも追随してほしいところだ。
たためば普通のスマホサイズ、ひらけばタブレットサイズとなり、いつでも使い分けが可能で利便性が高い。
思い立ったら読書や動画を大画面で楽しめる。
また手書きメモがすごく書きやすく、閲覧しやすいのがお気に入りだ。
そしてGalaxy Z Fold4では、
- UDCの高解像度化
- カバーディスプレイの比率変更
- アダプティブディスプレイの強化
- ECO2 OLED Plusによる省電力化
などにより、着実に使いやすさが高まっている。
駆動時間を伸ばすのはそう容易いことではないと思うが、Galaxy Z Fold4では前モデルと同一の4400mAhで駆動時間を伸ばしてきた。
連続動画再生のテストでは0.5時間ほどの伸びであったにせよ「着実に進化している」と感じた。
省電力なSoCやディスプレイが積み重なった結果だ。
また「パフォーマンスプロファイル」を「ライト」にしたことなども効いているのか、実際の使用時間や発熱に関する問題もかなり改善したと感じている。
OneUI4.1.1のタスクバーやGalaxyならではの便利機能が充実。
ただ「大きいディスプレイを搭載している」というだけでなく、フレックスモードなど、ソフトウェアがダントツによくできている。
また、Galaxyはアップデート期間が長期保証されているため、長期にわたって価値を維持できる。
これはAndroidでは唯一、iPhoneに迫るサポート期間だ。
優れたハードウェア・使いやすさ・長期間のアップデート。
Galaxy Z Fold4は価値あるソフトとハードが詰まったおりたたみスマホだ。