筆者は海外版のGalaxyをよく購入しているのだが、Galaxy Z Fold4で初めて毛嫌いしていた「韓国版」を手にした。

これまで海外版のGalaxyは「香港版」や「グローバル版」ばかり購入していたのだが、低価格と韓国版初のeSIM対応とあってチョイスしてみた。
実際に触れてみて「韓国版はどうだったのか?」ということをまとめてみた。
流通価格の違い

Galaxy Z Fold4の執筆時点の価格は、
- 韓国版:212,900円
- 香港版:261,824円
- グローバル版:235,068円
という感じ。
なんと香港版とは5万円弱の価格差がある。
ヨーロッパやシンガポールなどで流通するグローバル版は+2.2万円といったところ。





韓国版の流通価格はかなり安く執筆時点では21万円ほど。
現地での定価購入ならもっと安いと思うが、旅費で高くついてしまいそうだ。
香港版の方はなかなか下がらず、EXPANSYSでの価格は発売当初の25万円台より上昇してしまった。
続いて機能などの違いを見ていこうと思う。
SIMの仕様の違い

Fold4の場合、各国モデルのSIM仕様は以下のような感じになっている。
- 韓国版:シングルSIM & eSIM
- 香港版:nanoSIM × 2
- グローバル版:nanoSIM × 2 & eSIM
これまで韓国版は「シングルSIM仕様なので安くてもイマイチ」という具合だった。
しかしFold4では初めて「eSIM」にも対応し「デュアルSIM運用」ができるようになった。
だがこれまで通り韓国版は他のモデルに比べて安価なままとなる。
香港版は物理的なSIMが2枚セットでき、グローバル版はさらにeSIMにも対応する。
最強なのはグローバル版だが、Twitterを見てみると前モデルのFold3ではアップデートで日本の5Gが使えなくなったようだ。
また筆者も以前S20 UltraやS21 Ultraでグローバル版を試したが、日本の5Gは使えなかった。
今後も安定してグローバル版で5Gが使えるのかはまだ不明なので5Gも使いたい場合は様子見したほうがいいかもしれない。
Fold4の日本版はまだ発表されていないが韓国と同じになると思われる。
ついに国内Galaxy初のeSIM対応が来るか…?
5G対応バンドの違い

韓国版の5G対応バンドはn77とn78。
auやSoftBank、楽天モバイルなどが使用する5Gバンドに対応している。
ただ、n3, n28, n41などは使えず「転用5G」と言われる4Gを流用した5G回線には接続できない。
グローバル版は上記転用5Gバンドにも対応だが、先述したように5Gに懸念がある。
香港版はn77には非対応だが海外版では唯一ドコモが使う5Gバンド「n79」に対応する。
ドコモ回線で5Gを楽しみたい場合は香港版だ。
しかし価格が高い…。
ちなみに韓国版など海外版の4Gバンドは日本で販売されているGalaxyとは違い、docomo, au SoftBankどこでも問題なく使える。
ひょっとするとFold4国内版はXperiaやAQUOSに続いて各キャリアのバンドに対応し「完全SIMフリー」となるかもしれない。
起動時にキャリアロゴが表示される

韓国版として流通するものは日本のようにキャリアから出てきたものが多いようだ。
筆者が購入した韓国版も「KT」というキャリアから出てきたもののようで、起動時に「KTロゴ」と「5Gロゴ」が表示される。

日本で販売されているGalaxyもキャリアロゴが表示されるように韓国でも同じような仕様になっているのだろう。
馴染みのないロゴなので最初はやはり抵抗があったのだが、使っているうちにだんだんと気にならなくなった。
知らないと「なんだこれ!?」とびっくりするのかもしれない。
また日本キャリア版のようにいくつかアプリが入っているが大抵は無効化できるので、こちらも大して気になる部分ではなかった。
韓国版は通話録音ができる

これまで使ってきた「香港版」や「グローバル版」は国内版には搭載される、必要な人には必須機能の「通話録音機能」がなかった。
しかし韓国版のGalaxy Z Fold4の電話アプリには「通話を録音」があり、通話した内容を記録可能だ。

試しに電話アプリから「通話設定」の「通話の自動録音」を有効にして通話してみた。
すると終話時には通話録音したことが通知され、録音データが保存されたことを確認できた。

録音データは内部ストレージ内「Recordings」の「Call」に「通話相手の名前と日時」のファイル名で保存され、いつでも聞き返せる。

録音したファイルの再生は標準アプリの「ボイスレコーダー」の「リスト」からかんたんに開いて聞くことができた。
シャッター音の違い

韓国版のGalaxyは「シャッター音が鳴る」仕様で、日本で販売されているGalaxyと同じ仕様だ。
実際どんな感じかカメラアプリで写真を撮ってみると、シャッター音のボリュームなども日本版のものと同等で「やや大きめの音が鳴る」という具合だった。
香港版やグローバル版などはマナーモードにするとシャッター音は鳴らず、通常時でも「小さな音でシャッター音が鳴る」という仕様だ。
筆者はそこまで気にならなかったが、気になるようなら「シャッター音を消す」ということもしてみてもいいかも。
ミリ波とFeliCaは日本版だけが使える

日本版Galaxyは「ミリ波」対応のものもある
日本版のみ5Gバンドn257に対応し、日本で「ミリ波」が使えるモデルがある。
例えば国内版のGalaxy S22 UltraやGalaxy Z Fold3 5Gなどは海外版では対応していない日本のミリ波に対応。
ミリ波に対応していると超高速通信が可能だ。
とはいえ、使える場所がかなり限定的なので重要度は低めとなる。
ただし「楽天モバイル」は地方でもミリ波スポットが結構あったりするので、au版Galaxyで使ってみるのもいいかもしれない。
FeliCaは日本モデルのみの機能
ミリ波と同じくFeliCaも日本モデルのみの機能。
おサイフ用のサブスマホを持たず1台で済ませたい場合は日本版Galaxy。
まとめ!

- 韓国版は安く買える
- 韓国版や海外版はFeliCa非対応
- 韓国版の5GバンドはauやSB寄り
- 韓国版のシャッター音は日本版と同じ
- 韓国版は日本版と同様に通話録音可能
- 韓国版はシングルSIMだがeSIMが使えるモデルも
実際に使ってみた感じとして「韓国版」は「アリ」だと感じた。
これは個人的に必須機能の「デュアルSIM(Fold4のeSIM)」に対応したことや「低価格」であることがとても大きい。
シャッター音に関しては気になると言えば気になるが、別にそこまで…といった感じで無効化までしなくてもいいかなと思った。
5Gについても現時点では転用バンドは個人的に重視しないので問題なし。
今後転用化が進み「au回線やSoftBank回線を使ったときに4Gに影響が出る」ということが発生した場合には検討するべきかもしれない。
そしてn79には対応していないが、筆者宅ではmineoドコモ回線で5Gに接続できてしまったのでn78だけでも案外いけそう。
FeliCaについては筆者の場合常用しておらず、どうしても使うときはiPhoneなどのサブ端末をいいかなという感じ。
というわけで起動時のロゴだけ慣れてしまえばあとは普通かなという具合で、おまけに通話録音まで使える「韓国版」は思ったより優秀だなと思ったのであった。
「韓国版は安いけどデュアルSIMがないのが困る」と思っていた人は、これから韓国版も選択肢に加えてみてもいいと思う。
筆者は「Qoo10(キューテン)」というECサイトで韓国版Galaxyを購入。
一度覗いてみてはいかがだろうか。