ロシアの問題や円安などによる燃料費高騰により、天然ガスなどを使った発電が多い日本では電気料金の値上げが続いた。
厳しい値上げにより、節電を意識している家庭も多いことかと思う。
我が家も、光熱費を抑えるため冷暖房を極力使わなず、これを書いている2023年1月現在は、なるべく「電気ブランケット」といった省エネ製品で暖を取るようにして節電に努めていて、厳しい寒波じゃないときはなんとか乗り切れている。
ちなみにスマホについての記事が多めの当ブログであるが、私は「節電」や「オフグリッド発電システム」、「アウトドア」も好物だったりする。
自宅にはDIYソーラーシステムを設置して発電を楽しんだり…
自動車で寝泊まりする「車中泊」もちょくちょく楽しんでいる。
そんな、ソーラーパネルなどの発電で得た電力を使ったり、車中泊時に好きな場所で電力を使うことができて非常に便利なのが本記事の本題である「ポータブル電源」という製品だ。
ポータブル電源があれば、家庭用の電化製品を「貯めておいた電気」から動かせる。
そのため、車中泊やキャンプ場などの好きな場所で電気を使えることはもちろん、「停電や災害にも備えられる」として近年注目されている。
その魅力的な「ポータブル電源」のレビュー機会を「BLUETTI(ブルーティー) JAPAN株式会社」からいただいたので、ご紹介しようかと思う。
今回、レビューさせていただくのは「EB3A」という入門モデルとなる。
しかし、安価なモデルと侮ることなかれ。
「EB3A」をチェックすると、かなりコスパに優れたモデルとなっていることが分かる。
というわけで「BLUETTI EB3A」を「どんな製品が動作するのか?」など、レビューしていきたいと思う!
ポータブル電源「BLUETTI EB3A」ってどんな製品?特徴は?
「電力を貯蔵してどこでも便利に使う」には、通常、以下の3つが必要となる。
- 電力を貯蔵するバッテリー
- 充電を制御するコントローラー
- 電力を変換するインバーター
だが「ポータブル電源」はそれぞれの装置をひとまとめにしてコンパクト化されていて、容易に持ち運べるよう設計されている。
そのため、ポータブル電源ひとつあれば「充電の管理」や「どこでもコンセントを使う」といったことが可能だ。
ユーザーは使いたい家電の出力や使いたい時間に応じて「最大出力」や「バッテリー容量」を選択すればOK!
さて、ここではポータブル電源「EB3A」の仕様や特徴をチェックしてみよう。
EB3Aの仕様
EB3A | |
---|---|
バッテリー容量 | 268.8Wh |
バッテリータイプ | リン酸鉄 リチウムイオン電池 |
最大出力 | 600W |
瞬間最大出力 | 1200W |
寸法 | 255*180*183mm |
重さ | 4.6Kg |
入力 | AC充電 : 100V,430W Max PV充電 : 12V-28V,200W Max カー充電 : 12V/24V |
出力 | AC出力 100V,Max 600W(サージ1200W) 5521出力 12V/10A シガーソケット12V/10A USB-A出力 5V/3A USB-C Max 100W ワイヤレス充電 Max15W |
カラー | ベージュ スチールグレー |
定価 | 59,980円(税込) |
EB3Aは4.6Kgという重量で「268.8Wh」という容量を持つ製品でコンパクトなサイズでありながら「600W」もの出力となっているのが大きな特徴だ。
同じくらいの容量を持った他社製品では出力が200Wから300Wとなる製品が多く、大きな出力が必要な家電を動かせないなか、EB3Aはかなり高出力となっている。
そのため、ガジェット雑誌「GetNavi」などでも、年間アワードの中間発表では1位となっていた。
価格は「59,980円」なのだが、セールをちょくちょくやっているようで、セールなら「3万円くらいで買うことができる」ということも大きな特徴である。
安全性とコスパに優れた「リン酸鉄リチウムイオン電池」
EB3Aのバッテリーは「リン酸鉄リチウムイオン電池」が採用されている。
バッテリーは充放電を繰り返して使うが、これまでの充電池だと、およそ500回程度充放電を繰り返すと性能が低下してしまうというものであった。
だが、EB3Aのリン酸鉄リチウムイオン電池では2000回以上もの充放電耐久がある。
2500回使おうと思った場合、仮に毎日充放電を繰り返しても7年くらいはかかる。
一度買ったら長く使える、嬉しいバッテリーだ。
「600W」の高出力、瞬間最大「1200W」出力に対応!
EB3Aの大きな特徴である「600W出力(瞬間最大1200W)」という高出力。
私がこれまで所有していた小型ポータブル電源も250Wという製品だったが、同じ小型製品でも倍以上性能が違うとは驚きである。
実際に試してみたところ、250Wのポータブル電源より「EB3A」では動作する家電製品がかなり増えた。
せっかくポータブル電源があっても、動かしたいものが全然動かないと意味がないが、EB3Aなら「入門モデルなのに動作する家電が多い」というのが大きなメリット。
動作のテスト結果については後述しているのでぜひチェックして欲しい!
「電力リフト」機能により動作する家電製品が増える
EB3Aの面白い機能に「電力リフト」というものがある。
この機能を有効にすると、すべての家電が動作するというわけではないが、EB3Aの600Wを超える消費電力を持つ家電でも、消費電力を抑えて使用することができるというものだ。
熱を発生させる家電などでは当然パワーは下がってしまうが「動作する」のと「動作しない」のでは大きな違いだ。
これまでは「ポタ電に合わせた家電を買う」なんてことも必要であったが、EB3Aなら、別途買わなくてもよくなるかも。
ポータブル電源「BLUETTI EB3A」の外観や付属品をチェック!
開封!付属品チェック
BLUETTIより送られてきたのは以下のようなメーカーロゴ入り段ボール。
この中にさらに「EB3A」のパッケージが梱包されており、丁寧さを感じた。
箱を開けてみると、かわいいイラスト入りの説明書がお目見え!
説明書には詳しいボタン操作方法なども書かれていたので、使いこなしたいのであればしっかりとチェックしておきたい。
事前にレビュー機のカラーは知らされていなかったが、おしゃれな「ベージュ」が到着した。
自分で選ぶとなると「スチールグレー」を選択してしまっていたかな…と思ったが、ベージュもいい色♪
付属品はソーラーパネルを入力させるためのDC-MC4ケーブルとAC接続ができるケーブル。
ACケーブルは太めでちょっと固め。
だが、そこまで気にするほどのことでもないかなと言う感じ。
また、車中泊をよくするので、できればシガープラグも付属ならありがたかったりするが、それは別途購入するとしよう。
ベージュカラーの「EB3A」外観チェック!
さて、それでは「EB3A」の本体外観をチェックしていきたいと思う。
ベージュカラーのEB3Aはとってもおしゃれだ。
背面もキレイでいい感じ♪
ただキレイなぶん、アウトドアでガンガン使うにはチョット気を遣うかもしれない。
荒っぽく遣うというよりはテントの中やテーブルの上でやさしく使ってあげたい。
続いて正面のパネルをチェックしてみよう!
電源ボタンは「DC」、「AC」、「ライト」用に3つあり、どれかを1回押すとディスプレイが点灯してバッテリー残量や入出力状況などをチェックできる。
続けてもう一度ボタンを押すと、ランプが緑色に点灯して機能がオンになったことを示してくれる。
上の画像のスイッチでは「DC出力」が有効となる。
EB8Aの上部には「ワイヤレス充電」ポートも備わっていて「DC出力」をオンにして、ワイヤレス充電対応スマホを載せると利用できた。
通常なら別途ワイヤレス充電器を用意したり、ケーブルを用意したりと邪魔くさいが、EB3Aなら単体で充電可能。
そのため「充電器やケーブルを忘れてきた!」という場合でも、対応できる。
シガーソケットやDCプラグによる出力ポートは以下のような感じ。
続いて家庭用コンセントから充電できるポートはこんな感じ。
デスクトップパソコンの電源プラグと同じような形状となっていて、ここから付属のケーブルでコンセントと接続すると充電可能だ。
お気づきかもしれないが、ACアダプタはなんと「本体内蔵」となっているので、ケーブルのみの接続だけで充電できてスマートな仕様。
かさばるアダプタが別体だと、持ち運びも保管も邪魔になるが、EB3Aではそのような手間はない。
充電スピードについても優秀で「急速充電モード」では最大入力350Wで約1時間でフル充電、「標準モード(デフォルト)」でも最大入力268Wの約2時間でフル充電できる。
ACポートのとなりにはDC入力ポートがあり、ソーラーパネルからの充電や、別売りのシガープラグからの充電がおこなえる。
ソーラーパネルからの入力は最大200Wで、こちらも十分な最大入力がある。
ポータブル電源「BLUETTI EB3A」とスマホを接続!アプリでコントロール可能
EB3AはスマホとBluetooth接続して無線でコントロールすることもできる。
アプリでは、バッテリー残量の確認や、充電状況の確認、AC・DC・ライトのオンオフのほか、充電モードのコントロールといったことがおこなえる。
では実際に使用してチェックしてみたいと思う。
私の使っているスマホはAndroidなので、専用アプリ「BLUETTI」をGoogle Playからインストールした。
iPhoneの人はApp Storeにて「BLUETTI」と検索してみよう。
BLUETTIアプリを起動すると、下の画像のように、近くにあるEB3Aをすぐに検出してくれた。
検出されたデバイスを選択すると、すぐにバッテリー残量やDC・ACのパワーボタンなどが表示される。
以下の状況では、「残量は14%」で「ACがオン」の状態になっていることがわかる。
では残量が少ないので充電しながらアプリを確認してみよう(ちなみに残量はバッテリー保護のため20%を下回らないよう充電することが推奨されている)。
AC電源に接続してアプリを再び確認してみると、充電状況がバッチリ表示された!
現在は「155Wでの充電」がおこなわれていることがわかる。
そして、充電モードは画面右上にある「歯車」の設定アイコンから変更可能だ。
下の画像にある「充電モード」から標準や急速充電、静音モードへの設定変更ができる。
充電中は本体温度を冷ますため、状況に応じて冷却ファンが動作する。
充電を試してみた感じでは、静かな部屋ではけっこう気になる冷却音がでた。
ファンの冷却音が気になるときは「静音モード」にするとやや控えめになる。
ただ、充電スピードも控えめとなったので、状況に応じて変更するとよさそうだ。
寝る前に充電するなら、「寝るときは音が気になる・朝まで時間がある」ので「静音モード」、出掛ける前に「充電忘れてた!」何て場合はフルパワーで急速充電できる「高速モード」を使うといった使い分けが考えられる。
ポータブル電源「BLUETTI EB3A」でどんな電化製品を動かせる?
さあ、それではもっとも気になる「どんな電化製品を動かせるのか?」について実機を使ったテストをおこないたいと思う!
小型炊飯器(300W)
まずは消費電力が少なめの小型炊飯器を試し、無事に「米を炊き上げられるか」を確認してみた!
こちらの炊飯器は「レコルト」というメーカーの製品で、車中泊するかたにも人気の製品だ。
しかし、手持ちのポータブル電源では動作せずで、結局家でのみ使っていた。。
ポータブル電源で米を炊くことができれば、キャンプや車中泊での手間は減るし(炊飯器を使った調理もできるし)、火を使わないので車内で調理しても安心かと思う。
そして、災害時や停電時などでも、「とりあえず主食の米は炊ける!」という絶大な安心感を得られることだろう。
それでは、EB3Aを使って炊飯スタート!
消費電力は「308W」との表示。
バッテリーの電力だけでご飯を炊き上げられるか!?
EB3Aは600Wの出力に対応しているので、300Wくらいの消費電力なら余裕!
手持ちの最大出力250Wの小型ポータブル電源では炊飯器は動作しなかったが、コイツはまったく不安を感じることなく動作してくれた!
EB3Aすごいね。。
そしてしばらくして…「ピー!ピー!ピー!」と電子音が鳴り、ご飯が炊き上がったことを知らせてくれた!
さすが最大出力600Wのポータブル電源とあって、300Wの炊飯器はなんの問題もなく動作することがわかった。
それでは、ご飯を炊き終わったところでバッテリーの残量をチェックしてみよう!
残量は「39%」!
だいたい60%くらいを消費したが、小型のポータブル電源でバッチリご飯は炊けるぞ!!
小型IHクッキングヒーター(1000W)
さあ、調子に乗って今度はもっと消費電力の高い「IHクッキングヒーター」を使ってみようと思う!
この小型IHクッキングヒーターも車中泊ファンのかたに人気の製品で「電力セーブ機能(1000W, 700W, 450W切り替え)」なども搭載していて、ポータブル電源での使用に向いた製品になっている。
といあえず「そのまま行ったれ!」ということで、電力セーブ機能をあえて使わず、スイッチオン!
すると普通に使えてしまった!
このIHクッキングヒーターは火力が1~10まであり、中間の「5」まではなにも設定することなく使うことができた。
さすがに5以上の火力にするとオーバーロードしてしまうが、面倒な操作なく使うことができてしまった!
炊飯器と続けて利用してしまったので10分もたずに止まってしまったが、車中泊などでは別売りのケーブルでシガープラグから給電しながら使う「パススルー」で、もう少し長く調理することができるだろう。
大停電が発生しても、クルマとEB3Aがあればなんとかやっていけるんじゃなかろうか!?
全自動コーヒーメーカー(1450W)
一体どこまでイケるのか!?ということで、強烈に電力を食う製品を接続してみた(ゴメンEB3A…)!
こちらは毎日愛用しているデロンギの全自動コーヒーメーカー。
なんと消費電力は「1450W」にもなる。
このコーヒーメーカーをキャンプや車中泊に持っていくなんてことはないし、災害時にコーヒーを飲んでいる場合でもないが、一応「動くのかな?」という疑問を解消すべく試してみた。
さすがにキツいか…!?と、おそるおそる電源ボタンを「ポチっとな!」
すると、EB3Aの電力メーターは最大出力範囲で動作。
無事にスタンバイ状態となったので、いよいよコーヒーをつくるボタンをプッシュ!
すると…
…
…
止まってしまった!
んんん。。
ディスプレイにはエラーを示すアイコンが表示され、コーヒーはつくれなかった。。
「電力リフト機能」も使うなどしてなんどか試してみたがエラーになったので、このコーヒーメーカーはダメかも?
もうちょっと消費電力の低いコーヒーメーカーならたぶんイケると思うんだが。。
気を取り直して次にいってみよう!
電気ケトル(1200W)
コーヒーメーカーに続き高消費電力な「電気ケトル」。
コーヒーメーカーではシャットダウンしてしまったEB3Aであったが、電気ケトルについては最後まで動作し、お湯を沸かして温かい飲み物を楽しむことができた!
電気ケトルもかなりの消費電力となるので、そのまま使おうとするとエラーになってしまった。
そこで「電力リフト機能」の出番だ。
アプリの設定から「電力リフト機能」を設定し…
電気ケトルのスイッチを入れると、電力調整されて余裕でEB3Aの出力範囲内に!
そして徐々に温度は上昇を続け…
やった!見事100℃に到達成功!
このような高消費電力の家電をうまくコントロールして動作させることができてつい声をあげてしまった。
沸騰するのに減った容量は34%ほどとなっていた。
というわけで、最悪、コーヒーは電気ケトルでお湯を沸かして飲めばOK!
いや〜、こんな高消費電力の電化製品をコントロールして動かせるなんて、技術の進歩恐るべし!
ドライヤー(1200W)
最後は消費電力の高いドライヤーを試してみた。
こちらも動作させることができれば、活用の幅は拡がる製品だ。
ドライヤーのテストでは「男性ならすぐ乾くだろう」ということで妻に協力してもらい「女性の少し長めの髪を乾かせるか」を試した。
試したのは美容室などでもよく使われる「Nobby」のドライヤー。
大電力が必要なドライヤーは、ポータブル電源にはかなり厳しい家電製品。
果たして動作するだろうか?
では、スイッチオン!
無事にドライヤーは「 ブォォ~!」と温風を放出。
パワーを抑えて動作しているので普段よりちょっと弱めだが、安価な小型ポータブル電源電源で普通のドライヤーが動いて驚きと、なんとも言えないワクワク感を感じた。
電力リフトを使わず動作させずに使ったからか、動作直後に止まることもあったが、最終的にはこちらからスイッチを切るまで15分くらい高出力で連続動作し、髪を乾かし終えるに至った!
無事に髪を乾かし終えることができたが、気になるバッテリー残量は…?
どのくらいの電力消費で乾かし終えただろうか??
残量は「14%」となっていた。
開始時の94%から14%となり、およそ80%を使用したことになる。
このことから、男性なら十分に乾かせるし、ショートやミドルヘアーの女性でも、EB3Aのバッテリー残量が十分であれば乾かせると言えるだろう。
ロングヘアーとなると厳しそうだが、車のシガーソケットなどから電源供給を受けながら使えるようなシーンであればイケるかも…?
ということで、我が家の場合、EB3Aならポタ電用にドライヤーを別途買わなくてもよさそうだ!
まとめ!
いいところ・ざんねんなところ
- 小型なのに高出力!
- 電力リフトでいろいろ動く!
- リン酸鉄リチウムイオン電池で高コスパ!
- 容量の割に大きい
- シガーケーブルは別売り
- 小型の割に高い(セール時は安い!)
高消費電力の家電をうまくコントロールして高性能ぶりを見せつけてくれた「EB3A」。
「ちょっと容量の割に大きいような…?」と感じたが、これは最大600Wもの高出力なインバーターや急速充電できるACアダプタなども内蔵となっているからであろう。
十分に小型の範囲内であるし、他社の競合製品である「EcoFlow REVER 2」や「ANKER 521」などと比較しても高出力で、大きなアドバンテージだと感じた。
価格についても最初は「59,980円か〜!高性能なぶんちょっとお高めだな」と思っていたのだが、公式サイトを覗いてみると、ちょうどセールをやっていて値段にビックリ!
残念ながら執筆時点では売り切れとなっているが、それもそのはずで、ここからさらにクーポンが適用されて安く買うことができたのだ。。
さて、というわけで、「BLUETTI EB3A」について「高コスパ」な「小型ポータブル電源」であるということが少しは伝わっただろうか。
このちいさな一台で、キャンプや車中泊を快適に楽しんだり、災害対策も可能。
まだ持っていなくて「ポータブル電源が欲しい!」という人に、EB3Aは候補に外せない存在(贔屓じゃなくホントに外せない)。
「小型でいろいろ動かせる!」というロマンがある「EB3A」をチェックしてみたいという人は、公式サイトをチェックしてみよう。