11インチモデルのiPad Proを試し、軽量・コンパクトなサイズはとても快適で、12.9インチと違い、持ち出すのがとても楽だということを思い知った。そして、小型に味を占めた私は「さらに小型のiPad miniを小型PCにして最強の持ち出し用PC&タブレットにしたい!」という欲望が湧いてしまった…!
そこで目をつけたのが「Brydge」というiPad miniと合体してノートPCにしてしまうキーボード。これならiPad miniを「UMPC(ウルトラモバイルパソコン)」にしてしまえる!ということで、早速「iPad mini 5」と「Brydge7.9」を購入!
「Brydge」はどんなキーボード?
iPadやiPad Proには「Smart Keyboard Folio」や「Magic Keyboard」といった高品質な純正キーボードが存在し、PCライクな使い方をかんたんに実現できる。しかし、iPad miniには純正キーボードが存在せずサードパーティ製から探すことになるのだが、高品質なものはなかなかない。
デザインや質感、機能がイマイチなものが多いサードパーティ製品だが「Brydge」は高い質感と機能を持ったキーボード。Apple Online Storeでも取り扱われ、品質はAppleお墨付きだ。
高い質感を誇るBrydge
▼Brydgeの筐体はフルアルミニウム!高い質感を味わえる。
キーキャップのペイントはマットなもので、MacBookを思わせる質感の高いものになっている。手前に見えるゴムはiPad miniを装着状態で畳んだ時に、画面がキーボードに接地しないようにして傷を防止するもの。
▼背面も、もちろんアルミニウム。
丸いゴム足がやや大きめなのと、プリントされている文字が大きめなのが気になるが、全体の質感は良く、満足度は高い。
▼キー配列(USキー)はこんな感じ。
Brydge 7.9にはJIS(日本語)配列も存在するが「かな」と「英数」キーがない。そのため、JISキーボードのメリットである「かな」キーでの日本語入力と「英数」キーでローマ字入力の一発切り替えする事ができない。
そのため「それならカッコイイUS配列にしよう!」ということで、Apple Online Storeで販売しているものではなく、少し高かったがAmazonで見つけたUS配列のBrydge 7.9を入手するに至った。
Brydgeの便利機能
ファンクションキー
▼Brydgeの左上には「ホーム」や「画面ロック」、「キーバックライト」などのキーが並ぶ。
▼右上にはボリューム調節や画面輝度調節ができるキーが。
特にボリューム調節や画面輝度調節はApple純正の「Magic Keyboard」や「Smart Keyboard Folio」にはないBrydgeの光る機能だ。
キーボードバックライト
Bridge 7.9はキーボードバックライトは3段階の明るさ調節に対応。キーボードバックライトにより、薄暗い場所で使いやすく、周囲の明るさに応じて調節できるのが嬉しい。
オートスリープ対応
iPad miniを装着状態で蓋を閉じると、iPad miniはスリープするようになっている。ちなみにキーボードはiPad miniとキーボードの無操作状態が20分続くと自動でスリープしてくれる。
iPad miniとBrydge 7.9を合体!
装着は差し込むだけ
▼Brydgeの装着は至ってシンプルで、左右のヒンジに備えられた溝にiPad miniを差し込むだけで完了!
▼あとはBrydgeの電源を入れBluetoothボタン長押しでペアリングモードに。
▼そして、iPad miniとペアリングすればBluetoothキーボードとして機能する。
まるで「MacBook mini」となったiPad mini 5
▼Brydgeを装着すると、まるで「MacBook」のような状態に!
▼軽々と片手で持ち運べるサイズにニンマリ。
▼Magic Keyboardにできない180°展開にも対応!
▼iPad miniを閉じた状態。一体感が素晴らしい。
Magic Keyboardと違い、背面はノーガードとなってしまう。構造上、ケースを装着したままBrydgeを使うことはできない。
▼横から見てもこの一体感!
知っておくと便利なショートカット
テキスト入力でのキーボードショートカットはMacと共通のものが多く、Macでショートカットを使っている人であればすぐに馴染める。
⌘+C(コピー), X(カット), V(ペースト)はもちろん、Ctrlキーとの組み合わせで使えるショートカットも使えてとても便利で実用的だ。
Ctrlキーと組み合わせで使えるショートカット例
- A:カーソルを行の先頭に移動
- E:カーソルを文字列の最後尾に移動
- P:カーソルを一つ上に移動
- N:カーソルを一つ下に移動
- F:カーソルを一つ前方に移動
- B:カーソルを一つ後方に移動
- H:カーソルの左の文字を一つ削除
- D:カーソルの右の文字を一つ削除
- K:カーソル以降の文字を全て削除
- T:カーソルの前にある文字を前の文字と入れ替え
Brydge 7.9の問題点
- やや重い
- 価格が高い
- キーが小さい
- 充電がmicro USB
- 背面がガードできない
- トラックパッドがない
- 嵌め込みに少し力が要る
やや重い
▼Brydge 7.9の重さは「335g」と、iPad miniの重さを超える重量となる。
▼iPad mini 5(Wi-Fi)の重さは「324g」。
▼合わせた重量は「659g」となる。
659gという重さは8インチクラスのUMPCと同じくらいの重さ。そのため、UMPCと比べて重量的なメリットはない。
しかし、OSを含め「完全なタブレット」になれるiPad mini × Brydge 7.9のメリットは大きい。iPad mini 5は十分な処理能力を備えながらバッテリー駆動時間が長く、ファンレスであることや、低発熱なのも大きなメリットになる。
価格が高い
Brydge 7.9は1万円を超える価格となり、決して安いとは言えない。しかし、高い質感とiPad miniと合体してMacBookのように使える優れたヒンジ機構などは安価な製品に真似ができない。
ただ、Magic Keyboardと比べると安価に思える…かも。また、Apple Online Storeでは価格が下がって8,800円(税込)なので割安だ。
キーが小さい
色々なUMPCを使って小さなキーボードに慣れた私は、Brydge 7.9のキーボードにもすぐ慣れる事ができたが、一般的なノートPCしか使った事がない人なら「使いにくいキーボード」と感じる事だろう。
充電がmicro USB
Brydge 7.9は「Bluetoothキーボード」。バッテリーは充電式なので便利だが「micro USB」で充電する必要がある。Lightningだけでもなかなか困るが、micro USBも裏表があるなど困りもの。
しかしながら、かなり駆動時間は長く、一度充電すれば次回の充電は大分先。なので、充電は少し面倒だが、充電する頻度が少ないので、そう困ることはなさそうだ。
背面がガードできない
ケースを装着した状態ではBrydge 7.9を使用することはできない。そのため、背面はガードする事ができず、ガラ空き状態となってしまう。
トラックパッドがない
Magic Keyboardと違い、Brydge 7.9には「トラックパッド」がない。そのため、スクロールなどの操作はタッチで行うかマウスを使うことになる。
UMPCのような光学トラックポイントや、ThinkPadのような物理トラックポイントならスペースの問題もなさそうなので搭載して欲しい。
嵌め込みに少し力が要る
取り付けるにはBrydge 7.9のヒンジに備えられたゴムにiPad miniをはめ込むのだが、やや力を込めて押し込む必要がある。ワンタッチで簡単にとはいかないが、脱落を防ぐためには仕方のないことだ。
BrydgeでiPadがもっと楽しいアイテムに!
iPad miniは、ブラウジングやSNS、読書など、どちらかといえばコンテンツ消費に向いたデバイスのように感じるが「Brydge 7.9」やマウスを接続することで、文書作成なども行える。この記事のほとんどは「Brydge 7.9」と「iPad mini 5」を使って執筆したが、外出先でも楽しく記事作成する事ができた。
また、動画編集アプリの「VLLO(ブロ)」を使ってYouTubeに投稿する動画のカットや字幕の作成なども行なってみたところ、こちらもなかなかの快適作業ができ、コンパクトマシンでどこでも作業できる快適性に酔いしれた。
iPad mini 5単体では、ただのタブレットでしかないが「Brydge 7.9」は「iPad mini 5」の可能性や、できることを大きく拡げ、実用性や快適性をもたらしてくれた。2019年に発売されたiPad mini 5だが、Brydge 7.9のおかげでまだまだ活躍してくれる事だろう。
▼iPad mini 5本体は新品で約5万円(64GB)から。
▼iPad mini 5はApple Pencil(第1世代)にも対応し手書きできる。
▼Brydge 7.9はECサイトでも取り扱いがあるが、Amazonは在庫がないようだ。