「Xperia 1 II」の発売直前となったタイミングで「Xperia 1 SOV40」を入手した。Xperia 1の価格相場は大きく下がり、大変手頃な価格となっている。
最新モデルには魅力的な機能が溢れているが、コスパのよくなったモデルをじっくり楽しむのも面白い。この記事では、高機能低価格のハイエンドとなったXperia 1についてお届けしたい。
Xperia 1のスペックなど

Xperia 1の基本情報
基本情報
OS | Android9 →10にアップデート |
SoC | Snapdragon855 |
RAM | 6GB |
ストレージ | 64GB 128GB UFS2.1 |
重さ | 178g |
高さ | 167mm |
幅 | 72mm |
厚み | 8.2mm |
画面 | 6.5インチ 有機EL |
解像度 | 1644 x 3840 |
画面密度 | 643ppi |
バッテリー容量 | 3,200mAh |
充電能力 | 有線 18W 無線 – |
Wi-Fi | 802.11a, b, g, n, r, ac |
Bluetooth | 5.0 |
防水 | ○ IP68 |
デュアルSIM | ○(販売国による) |
eSIM | – |
シムフリー | ○(販売国による) |
FeliCa | ○(国内モデル) |
SDカードスロット | ○ |
フルセグ / ワンセグ | ○ / ○ |
イヤホンジャック | × |
生体認証 | 本体横指紋認証 |
技適 | 海外モデルは× |
- FeliCa搭載
- ROM 64GB
- シングルSIM
- 要SIMロック解除
- ワンセグ / フルセグ搭載
カメラ性能
①超広角 | 12MP ƒ/2.4 1/3.4″ |
②広角 | 12MP ƒ/1.6 1/2.6″ |
③望遠 | 12MP ƒ/2.0 1/3.4″ |
ズーム | 光学2倍 デジタル10倍 |
デプス(深度)カメラ | – |
フロントカメラ | 8MP ƒ/2.0 1/4 |
※数値は上から画素数、F値、センサーサイズとなる。一般にF値が小さい数字であれば明るい写真が撮れ、センサーサイズが大きければ画質が良くなる。
ズームは光学の倍率が高ければ画質が劣化せずに遠くの被写体を撮影可能だ。デジタルズームは画質が劣化するが、被写体に寄った写真を撮ることができる。
画質には他にも様々な要素が絡み、一概に数値がよければ高画質とも言えない。
Xperia 1の対応バンド
- D(docomo)
- A(au)
- S(SoftBank)
- R(Rakuten)
製品名をクリックするとイオシスでの新品/中古価格を確認できる。
海外版 J9110 | docomo SO-03L | au SOV40 | SoftBank 802SO | |
---|---|---|---|---|
SIMフリー/デュアルSIM | ○/○ | ×/× | ×/× | ×/× |
FeliCa | × | ○ | ○ | ○ |
フルセグ・ワンセグ | × | ○ | ○ | ○ |
BAND 1 (2100) (D・A・S) | ○ | ○ | ○ | ○ |
BAND 3 (1800) (D・S・R) | ○ | ○ | ○ | ○ |
BAND 8 (900) (S) | ○ | – | – | ○ |
BAND 11 (1500) (A・S) | – | – | ○ | ○ |
BAND 18/26 (800) (A・R) | ○ | – | ○ | – |
BAND 19 (800) (D) | ○ | ○ | – | – |
BAND 21 (1500) (D) | – | ○ | – | – |
BAND 28 (700) (D・A・S) | ○ | ○ | ○ | ○ |
BAND 41 (2500) (A・S) | ○ | – | – | – |
BAND 42 (3500) (D・A・S) | – | ○ | ○ | ○ |
各キャリアのLTEバンド重要度
- ◎ : 重要
- ○ : できれば欲しい
- △ : あればいいがなくてもOK
| docomo | au | SoftBank | Rakuten |
Band 1 (2.0GHz) | ◎ | ◎ | ◎ | – |
Band 3 (1800MHz) | ◎ | – | ◎ | ◎ |
Band 8 (900MHz) | – | – | ◎ | – |
Band 18/26 (800MHz) | – | ◎ | – | ◎ |
Band 19 (800MHz) | ◎ | – | – | – |
Band 21 (1.5GHz) | △ | – | – | – |
Band 28 (700MHz) | △ | △ | △ | – |
Band 41 (2.5GHz) | – | △ | △ | – |
Band 42 (3.5GHz) | ○ | ○ | △ | – |
ベンチマークスコア
搭載されているSoCは高性能なSnapdragon855。ハイエンドスマホらしい立派なスコアとなった。
Antutu V8

Geekbench 5

商品リンク
Xperia 1の外観
正面
▼画面比率21: 9で独特な形状の端末となったXperia 1。

始めて見たときはこの形状に違和感を覚えたが、使ってみると細身で握りやすくとても好印象。縦長ディスプレイはブラウザやSNSのタイムラインで一覧性が高く、細身のボディは文字入力を快適にこなせる。
スマホの21:9は「最適解」なのかもしれないと感じる。
フロントカメラ

他社ハイエンドスマホのフロントカメラは縁を無くし、画面内に出っぱった「ノッチ」や、黒い穴状の「パンチホール」を採用するなかXperiaは従来型の配置を貫いている。
古くさく感じるかと思ったが、私はXperia 1からそのような印象を受けることがなかった。
ディスプレイ表示

光輝度で発色のいい4K有機ELディスプレイ。他社ハイエンドに比べ上下ベゼルが少し太いが、表示部に邪魔なものが入らないのがメリット。
アンビエント表示

便利なアンビエント表示(Allways on Display)に対応。時刻や日付の確認をボタン操作無しでおこなえる。
- 常に有効
- スマート表示
- 機器を持ち上げたときに起動
表示は上記3つから切り替えできる。常に表示は、バッテリー消耗が多くなる。
背面
▼美しいデザインの背面。カメラはセンターに配置となる。

指紋が付着しやすいので、保護ケースで防指紋性能を高めたい。カメラ部の縁もデスクなどに直接触れると塗装が剥げるので、保護ケースは必須だ。
個人的にXperia 1には、薄く細身な特性を活かした薄型ケースを用いたいと感じる。
メインカメラ

ハイエンドスマホらしく「3眼カメラ」を搭載。標準カメラに加えて、広範囲を撮影できる「超広角カメラ」や、2倍光学ズームとなる「望遠カメラ」を備えている。
機種によっては3つのカメラを搭載していても、望遠カメラではなくマクロカメラなどになっている場合がある。Xperia 1のカメラ構成は「超広角 / 広角(標準) / 望遠 」で、使い勝手がいい。
上部
▼上部にはマイクとSIM / microSDトレーがある。

Xperiaは、SIMトレーをピンなしで取り外しできるのが嬉しいポイント。
下部
▼本体下部にはスピーカー、Type-Cポート、マイクが並ぶ。

背面形状はフラットだが、左端と右端に丸みがあるのがわかる。この形状により、持ったときにより薄く感じられるのだろう。
右側
▼操作ボタンやセンサーは全て右側配置となる。

ボリュームボタン、指紋センサー、電源ボタン、そして、カメラキーが並ぶ。Xperiaはカメラキーによるカメラ起動や、デジカメと同じ半押しによるフォーカス、押し込みでシャッター操作ができるのが大きなポイント。
カメラキーのおかげで、写真を撮影するのがとても楽しくなる。
指紋センサーは従来のような電源ボタン一体型ではないものの、右手で持ったときにちょうどいい位置にあり使い勝手がいい。センサー感度は「悪い」というレビューが多く、期待していなかったためか私はあまり悪く感じなかった。
左側
▼左側はボタン類がなくフラット。

Xperia 1のカメラで撮影
Xperia 1のカメラでは色鮮やかできれいな写真が撮影できた。ナイトモードが無いので、暗所撮影は苦手のようだ。
超広角

▲Xperia 1は「超広角」カメラを搭載しており、風景などを広い視野角で撮影可能となっている。
広角(標準)

▲こちらは標準カメラで撮影した写真。超広角カメラがどれだけ広い範囲を撮影しているかを比較してほしい。
望遠(2倍)

▲光学2倍のカメラも搭載。画質の劣化なく2倍ズームでの撮影が可能だ。
望遠(10倍)

▲デジカメと違い、倍率は固定となるので、その他の倍率では画質劣化のある「デジタルズーム」となる。最大倍率の10倍にすると画質が大きく劣化してしまうが、記録用には使えそうな画質だ。
超広角

▲続いて中央にある煙突に寄ってみた。超広角では上のような感じ。
広角(標準)

▲Xperiaのカメラは見た目と近い色合いで記録されるのが特徴だ。
望遠(2倍)

▲Galaxyなどでは少し曇っていても空の色がより青く、木の色はもっと鮮やかな緑で記録される傾向がある。濃い色はSNSなどでは映えるが、実際の色味と異なるため「Xperiaのカメラが見たままに近くて良い」という意見もある。
望遠(10倍)

▲最大までズーム。荒くはなるが、それなりに使える画質。
接写

▲てんとう虫に限界まで寄って撮影すると上のような感じ。

▲トリミングしても十分に耐えうる画質だ。
逆光

▲カメラの性能差が出やすい逆光。Xperia 1はきれいに撮影できた。
暗所撮影
超広角

▲Xperia 1は残念ながら夜景撮影ができる「ナイトモード」に非対応。
広角

▲ハイエンド端末では採用が多い機能なので、搭載してほしかった。
望遠(2倍)

▲ナイトモードはXperia 1Ⅱから搭載となる。
いいところ・いまいちなところ
いいところ
- テレビ視聴可能
- HDMI出力に対応
- カメラキーが楽しい
- POBox Plusで快適入力
- 縦長はとても使いやすい
- 指紋センサーが使いやすい
- サイドセンスで片手操作できる
テレビ視聴可能
国内モデルはワンセグ / フルセグに対応する。アンテナコードが必要ではあるものの、ネットワーク接続なしで情報を得ることができるのがメリット。
アンテナコードは100円ショップで購入できる「Type-C→3.5mmイヤホンジャック変換コード」で代用できた。私は「セリア」で入手。
HDMI出力に対応
XperiaではしばらくHDMI出力が非対応であったが、Xperia 1ではHDMI出力に対応。Android 10では開発者モードに「デスクトップモード」が追加され、有効にすると色々と楽しめる。
モバイルモニター、マウス、キーボード、コントローラーなどを使えば楽しみが増えそうだ。
▼試しに「アスファルト9」をモバイルモニターでプレイ。

▼「アスファルト9」はキーボードでの操作にも対応していた。

YouTubeアプリで動画再生なども楽しめた。TVアプリなどは動作せず、全てのアプリが対応しているわけではないがちょっとした作業やゲーム、動画などには使えるかもしれない。
モバイルモニターは、Xperia 1からの電力供給のみで動作させることができたが、バッテリーの消耗が激しい。モバイルモニターからXperia 1へ電力の供給できる ものを使用した方が良さそうだ。
デスクトップモードは開発中の機能であるため、まだまだ使い勝手が悪い。さらに高機能なものを求めるならGalaxyのDeX機能をチェックしよう。
カメラキーが楽しい
Xperiaといえば「カメラキー」の存在は外せない。デジカメと同じ操作でフォーカスとシャッター操作ができる。
▼本体右側に備わるカメラ専用ボタン。

▼半押しでフォーカスを合わせたところ。

長押しではカメラの起動ができるようになっている。Xperiaはカメラキーにより、写真撮影が楽しいスマホとなっている。
POBox Plusで快適入力
Xperia 1には「POBox Plus」という文字入力アプリがプリインストールされている。このアプリは使い勝手に定評があり、ファンも多い。
細かいところではあるが、POBox Plusでは「」(カッコ)を入力したときにカーソルがカッコ内に移動する。そのため、カッコ内の文字をすぐに入力できるようになっている。

設定が必要だが、数字キーへの切り替えがスワイプ操作でできるのも気に入っている。
▼設定→入力アシスト→文字種モードキー→2トグル式
▼数字キーは言語切り替えキーを右スワイプであらわれる。
▼変換候補の「ルビ表示」も気が利いている。

残念ながら「POBox Plus」は開発終了となり、後継機種への搭載はなくなってしまった。とてもいい文字入力アプリなので大変残念だ。
縦長はとても使いやすい
細身のボディはしっかりと握り込めるので、安定した操作ができる。縦に長いディスプレイは文字入力時にキーボード が表示されていても、表示部に余裕がある。
試しにスマホで記事を執筆する「モブログ」をしてみたところ、書いた文章の前後を確認しやすく記事執筆がはかどった。
指紋センサーが使いやすい
指紋認証センサーは画面内に内蔵されているものが増えてきたが、感度の問題や位置が分かりにくいといった問題がある。Xperia 1の指紋認証は本体右側にあり、右手で持つとちょうど親指が当たる位置に設置されている。
そのため、指紋認証でのロック解除が容易だ。また、デスクの上に置いたままロック解除することも可能だ。
Android 10へアップデート済みなのもあるのか、精度や感度の問題もない。
サイドセンスで片手操作できる
画面が大きなスマホでは、画面上部の操作が難しくなる。また、最下部にあるナビゲーションバーもなかなか指が届きにくく操作が億劫だ。
大画面による操作性の問題を解決できるように、Xperia 1には「サイドセンス」という機能が備わっている。画面の縁を指でなぞったり、縁をダブルタップして特定の動作をさせることができる。
少し設定を変更すると、快適に片手操作できるようになった。
▼私は以下のように設定。

ダブルタップは「ホーム」へ、上になぞると「アプリ履歴」で、下になぞると「片手モード」とした。
▼さらに、ナビゲーションバーの設定を変更。

これにより、画面端から中央部に向かって「スワイプ」する操作で「戻る」機能を使用可能だ。最初は操作に慣れは必要なものの、大抵のことは片手でおこなえるので、とても操作が快適になった。
いまいちなところ
- ROMが小さい(国内)
- ナイトモードがない
- ワイヤレス充電非対応
- カメラがセンター配置
- カメラ切り替えがトグル式
- 超広角カメラへの切り替えラグ
ROMが小さい(国内)
国内モデルのROMは64GBとなり、海外モデルの128GBと比べると見劣りする容量となってしまう。ただし、データをたくさん保存する場合は「microSDカード」を併用できる。
SIMカードスロットにmicroSDカード用スペースが備えられているので、容量不足に対応可能だ。
ナイトモードがない
暗所でも明るく撮影できる「ナイトモード」がXperia 1には非搭載。ただ、明るさを判別して、シャッタースピードを自動調整してくれる機能があり、ある程度暗い場所への対応はできる。
ワイヤレス充電非対応
ちょっと残念なのが「ワイヤレス充電」の非対応。他機種で便利さを知ってからはよく利用しているのだが、Xperia 1では非対応だった。
有線で充電すればいいので、必須機能ではないがあれば嬉しかった。
カメラがセンター配置
背面カメラが本体左右のセンターに寄っているので、本体を横持ちすると指が掛かりやすい。ただ、デザインとしては悪くない。
Xperia 5では、端に寄った配置となっている。
カメラ切り替えがトグル式
超広角、広角(標準)、望遠カメラの切り替え端が押すごとに切り替えとなる「トグル式」なのが気になった。超広角カメラへの切り替えを一発でできるようにしてほしい。
望遠カメラへは倍率アイコンのスワイプ操作でも切り替えできるが、超広角カメラはスワイプで切り替えできない。また、動画撮影中は望遠カメラへの切り替えはできるが、超広角カメラへの切り替えができないのが難点。
アップデートで改善してほしいポイントだ。
超広角カメラへの切り替えラグ
超広角カメラへの切り替えが他機種と比べるとスムーズではなく、一呼吸置いて切り替わる。使い勝手に大きく影響することではないが、できれば直してほしい。
Xperia 1の購入先
イオシスでは「802SO」の未使用品が49,800円(税別)で販売中。
海外通販サイト
国内通販サイト
おわりに:デザイン良し、コスパ良し
カメラ操作やナイトモードなどの気になる部分はあるものの、カメラキーによる操作や、カメラの画質は十分に満足できるものだった。Snapdragon 855や、RAM 6GBで3Dゲームなどの重い処理も問題ない。
そして、発色が良く高解像度4Kの有機EL、21:9の比率で使い勝手のいいディスプレイ。Xperia 1のディスプレイは動画再生などでも、色合いや精彩感など美しい表示で楽しませてくれた。
価格もモデル末期となるとかなり安く「イオシス」ではソフトバンク版「802SO」の未使用品などが5万円以下のセール価格で販売されている。
最新モデルも魅力的だが、十分な高機能と高パフォーマンスの「Xperia 1」はかなり魅力的なモデルとなっている。