美しいボディデザインと高画質なカメラを持つOnePlusのスマートフォン。この記事では、2020年4月に発売された「OnePlus 8 Pro」の外観や、撮影した写真、いいところや、いまいちだと感じたポイントなどを紹介したいと思う。
本機はレビュー用に「まめこ MOBILE」より借り受けたもの。本機のほか「Mi 10 Ultra」もレビューさせていただいたので、下記も併せてチェック願いたい。
OnePlus 8 Proのスペックなど
基本スペック
OnePlus 8 Pro | |
---|---|
OS | Android10 (OxygenOS 10.5) |
SoC | Snapdragon865 |
RAM | 8GB 12GB |
ストレージ容量 | 128GB 256GB |
重さ | 199g |
高さ | 165.3 mm |
幅 | 74.3 mm |
厚み | 8.5 mm |
画面 | 6.8インチ 有機EL |
リフレッシュレート | 120Hz |
解像度 | 1440×3168 |
画面密度 | 513ppi |
バッテリー容量 | 4,510mAh |
充電能力 | 有線 30W 無線 30W(逆充電可) |
Wi-Fi | 802.11a, b, g, n, r, ac, ax |
Bluetooth | 5.1 |
防水 | ○ |
デュアルSIM | ○ |
eSIM | – |
シムフリー | ○ |
FeliCa | – |
SDカードスロット | – |
フルセグ/ワンセグ | ×/× |
イヤホンジャック | – |
セキュリティ | 画面内指紋認証 顔認証 |
カラー | ブラック ブルー グリーン |
カメラスペック
OnePlus 8 Pro | |
---|---|
超広角 | 48MP ƒ/2.2 1/2″ IMX586 |
広角(標準) | 48MP ƒ/1.78 1/1.4″ IMX689 光学手ぶれ補正 |
望遠 | 8MP ƒ/2.44 光学手ぶれ補正 |
ズーム性能 | ハイブリッド3倍 デジタル30倍 動画時最大10倍 |
ToF | – |
フロントカメラ | 16MP ƒ/2.45 IMX471 |
▼参考 DXOMARK
対応バンド
対応バンドは情報元を参考に日本で必要なものをまとめている。入念にチェックしているが、漏れや誤記、情報元の誤記や更新もあるので、取り扱いには注意いただきたい。
- D(docomo)
- A(au)
- S(SoftBank)
- R(Rakuten)
OnePlus 8 Proの4G LTE対応バンド
中国版 | グローバル版 | |
---|---|---|
BAND 1 (2100) (D・A・S) | ○ | ○ |
BAND 3 (1800) (D・S・R) | ○ | ○ |
BAND 8 (900) (S) | ○ | ○ |
BAND 18/26 (800) (A・R) | ○ | ○ |
BAND 19 (800) (D) | ○ | ○ |
BAND 21 (1500) (D) | – | – |
BAND 28 (700) (D・A・S) | – | ○ |
BAND 41 (2500) (A・S) | ○ | ○ |
BAND 42 (3500) (D・A・S) | – | – |
国内キャリア別LTEバンド重要度
- ◎ : 重要
- ○ : できれば欲しい
- △ : あればいいがなくてもOK
| docomo | au | SoftBank | Rakuten |
Band 1 (2.0GHz) | ◎ | ◎ | ◎ | – |
Band 3 (1800MHz) | ◎ | – | ◎ | ◎ |
Band 8 (900MHz) | – | – | ◎ | – |
Band 18/26 (800MHz) | – | ◎ | – | ◎ |
Band 19 (800MHz) | ◎ | – | – | – |
Band 21 (1.5GHz) | △ | – | – | – |
Band 28 (700MHz) | △ | △ | △ | – |
Band 41 (2.5GHz) | – | △ | △ | – |
Band 42 (3.5GHz) | ○ | ○ | △ | – |
OnePlus 8 Proの5G対応バンド
中国版 | グローバル版 | |
---|---|---|
n77 (D・A・S・R) | – | – |
n78 (D・A) | ○ | – |
n79 (D・A) | ○ | – |
n257 (D・A・S・R) | – | – |
国内キャリア5Gバンド割り当て
Sub6
n77 | docomo au Rakuten SoftBank |
n78 | docomo au |
n79 | docomo |
ミリ波
n257 | docomo au SoftBank Rakuten |
ベンチマークスコア
Snapdragon865を搭載したOnePlus 8 Proのベンチマークスコアは、当然ながら大変優秀なものとなった。バッテリー駆動時間の計測では、最も過酷な条件である「QHD+ & 120Hz」という条件で、PCMARKにより残量100%から20%を測定。
厳しい条件にもかかわらず、OnePlus 8 Pro(4,510mAh)のバッテリー駆動時間も優秀だった。最高の設定でも、ハードな使い方でなければ十分に一日使えるだろう。
なお、比較には全世代のSoCである「Snapdragon 855」を搭載する「Galaxy Note10 SM-9700」を用いた。バッテリーベンチでは3,500mAhのGalaxyにわずかに及ばない結果ではあるものの、OnePlus 8 Proは大画面、高解像度、高リフレッシュレートということを考えると健闘していると言える。
Antutu Ver8
▼AnTuTuベンチマーク公式サイト


Geekbench 5


AndroBench


PCMARK バッテリーベンチ


QHD+ & 120Hz
写真で見るOnePlus 8 Pro
内容物一覧
- ケース
- SIMピン
- 充電器(30W)
- A to Cケーブル
- クイックスタートガイド

▲箱は鮮やかな赤色で、縦長であることが特徴。付属するTPUケースにはOnePlusのスローガン「Never Settle」の文字が刻まれる。
これは「立ち止まるな」や「現状に満足しない」というような意味だそうだ。
付属する充電器は30Wで、Warp Chargeという名称がつけられている。十分に高速な充電が可能で、充電スピードに不満はない。
正面(ディスプレイ)
▼ディスプレイは6.8インチの有機EL。両端が湾曲する「エッジディスプレイ」となっている。

エッジディスプレイは「フィルムが貼りにくい」「表示がにじむ」などのデメリットがあるが、側面のベゼルが細く見えるなどのメリットもある。
ディスプレイ点灯状態

▲1440×3168の高解像度有機ELディスプレイは、120Hzのリフレッシュレートに対応。スムーズで気持ちの良いスクロールを楽しめる。
OnePlus 8 Proでは、QHD+と120Hzの両方を設定できるのも大きな特徴だ。
フロントカメラは「パンチホール型」で、Galaxy S10のように画面左上に配される。他機種同様、使用中に気になるようなことはなかった。
背面
▼美しいデザインの背面パネル。iPhone 11 のようなフロストガラスとなっており、表面がサラサラで指紋が付着しにくいのが好印象。

メインカメラ部

- 超広角
- 広角(標準)
- カラーフィルター
- 望遠
OnePlus 8 Proのカメラ構成は少し特徴があり、上から超広角、広角(標準)、カラーフィルターと並び、サイドに望遠カメラが備わる。カラーフィルターの一部には特定の物体を透過できる能力があるが、中国版やインド版では無効化されているとのこと。
上部

- マイク
上部にはマイクのみ。本体側面の仕上げもマットとなっているので、指紋が付着しにくい。背面、側面ともに手で持っても指紋が付着しにくくケースなしで使いたいところだが、カメラバンプはやや大きめ。
コーナー部もやや鋭角な形状であるため、テーブルなどと接触すると、次第に塗装が剥げてくるだろう。美しい状態を保つため、できればケースを使用して段差を解消したい。
下部

- スピーカー
- USB
- マイク
- SIMトレー
本体下部にはSIMトレーやスピーカーなどが備わる。スピーカーはイヤースピーカーと、下部スピーカーによるステレオ仕様だ。
SIMトレー

▲SIMスロットはナノSIMが表と裏に入る物理デュアルSIM仕様。microSDには非対応なのが残念だ。
OnePlus 8 ProはIP68防水に対応したため、赤色の防水パッキンが見える。やはり防水対応は大きく、安心して仕事や遊びなどの様々なシーンで使用できる。
右側
▼パワーボタンの上には「マナー / サイレント / 通常」の切り替えができるスライドスイッチがある。

スライドスイッチは操作性も良好で、瞬時に切り替えできるのは外出先で便利。ボリュームボタンを何度も押したり、ロックを解除して操作しなくてもスイッチ切り替えのみでOK。
左側
▼左にはボリュームボタンがある。

背面から側面にかけて、非常に美しい仕上がりだ。
OnePlus 8 Proのカメラで撮影

OnePlusのカメラでは自然の風景や、公園などで様々な写真を撮影。特にマクロ撮影が面白く、いつもの公園での風景もまた違った一面を見せてくれた。
自然の風景
超広角、広角(標準)カメラでは比較にGalaxy Note20 Ultraを用いた。OnePlus 8 Proでは自然な味付け、Galaxyはより濃い味付けの写真となっている。
アサガオの撮影では、花弁の色合いを美しく精細に記録できた。彩度もごく自然なものであり、とても好印象。
超広角


広角


望遠 3倍

望遠 10倍

望遠 30倍

花

望遠カメラテスト
望遠カメラでもOnePlus 8 Proでは、色鮮やかな撮影ができた。ただ、3倍ズームは綺麗に撮影できたが、やはり10倍や最大の30倍ではかなり粗い写真となってしまう。
執筆時点において、大きな望遠性能の「ペリスコープ」カメラを持つ他社製品とも比較。さすがにこれらには敵わないが、2倍望遠の従来機より綺麗な遠景撮影が可能だ。
望遠 3倍

望遠 10倍

望遠 30倍

他社製品と比較

▼こちらは以前撮影した光学2倍ズーム機で2倍ズームしたもの。なお、この写真と今回撮影した写真と天候が異なる点にはご注意いただきたい。

他社製品と比較 10倍




マクロ撮影
OnePlus 8 Proには接写(マクロ)用カメラは用意されていないが「48MP超広角カメラ」をマクロカメラにする、専用モードが用意されている。接写撮影では、日常風景や生き物の、普段と違った一面を捉えることが可能だ。
マクロモードとフィルターを併用した写真なども撮影可能など、スマホひとつで多彩な撮影に対応する。
昆虫







植物その他






フォトクロミックをテスト
念のため「カラーフィルター」カメラの「フォトクロミック」をテスト。
▼プラスチックを撮影してみたが、変化無し。

▼妻に協力してもらったが、普通の写真しか撮れなかった。

テストにお借りしたOnePlus 8 Pro「IN2020」では、無効化されているようだ。とても残念。
SIMの動作テスト
SIMカードは「LINEモバイル」の「ソフトバンク回線」をテスト。通信や通話に問題はなかったが、VoLTEが使えず3Gでの通話となった。

VoLTEを有効にするにはPCと接続して、ツールを用いる必要がある。
不具合などの情報
OnePlus 8 ProのレビューをするにあたってTwiterにテスト中の画像を投稿したところ、不具合などの情報を寄せていただいた。ここではそのいくつかを紹介したい。
低輝度で画面が緑がかる
レビュー中に私は確認することができなかったが、一定の条件で画面が緑色になってしまうことがあるようだ。

情報を寄せていただいた「PC人間」氏は、Twitter上でOnePlus 8 Proをレビューされており、大変参考になった。写真の作例などもあるので、ぜひ、彼のツイートをご覧いただきたい。
タッチの不具合
「sim free lover」氏からは、アプリ内のブラウザでスクロール中にタッチ操作が効かなくなるという情報を寄せていただいた。

症状が出た場合、画面サイドからのジェスチャー操作によって復帰できるとのこと。
OnePlus 8 ProのGood / Badなところ

Goodポイント
- 美しいデザイン
- 物理マナーボタン
- 豊富なカスタマイズ
- マクロモードが楽しい
- 48+48+優秀なカメラUI
- QHD+と120Hz同時使用
美しいデザイン


鮮やかなカラーとフロストガラスによる指紋の付きにくさで、見た目も機能も美しい。背面のガラスパネルだけでなく、側面の仕上げもマット調で指紋がつきにくいのポイント。

上部に設けられたワンポイントである窪みや、アンテナラインの中に設けられたマイクなど、細かい部分もこだわりが感じられる。


配色は余計な色を入れず、ボタン類まで一色で統一されているところも○。
カメラの出っ張りはややあるものの、全体のデザインや質感は非常に高い。
物理マナーボタン

本体右側にはスライド機構のによるスイッチがあり、マナーモードやサイレントへの切り替えがラクにできる。物理ボタンは部品の点数が増え、コスト増や故障のリスクを考えるとメーカーとしては避けたいパーツだろう。
しかし、本機ではユーザー側のメリットが大きい物理ボタンを採用し、操作性を高めている。この部品のおかげでユーザーは、感覚だけで状況に応じた設定に切り替え可能だ。
豊富なカスタマイズ
▼ステータスバーに表示されるバッテリーアイコンや、各種アイコンの表示 / 非表示設定。


▼クイックジェスチャーでは、画面オフ時に描いた字の形によって任意の動作を割り当てられる。


▼「ボタンとジェスチャー」項ではナビゲーションバーの設定や、電源ボタン2回押しなどの操作設定をカスタマイズ可能。


▼ホーム画面にはアイコンパックも用意される。


▼配色やアイコン形状までデフォルトで設定可能だ。


上記のように、操作や表示部分を設定メニューから好みにカスタマイズでき、自身が使いやすいように変更可能となっている。お気に入りの設定に仕上げた端末は、より一層役に立つ相棒として活躍してくれることだろう。
マクロモードが楽しい
48MPの超広角カメラを接写用カメラに使用できる「マクロモード」では普段の風景がいつもと違って見え、とても楽しく撮影することができた。

後述の優れたUIにより切り替えがとてもかんたんなのも「使える」ポイント。
48+48+優秀なカメラUI
OnePlus 8 Proの48MPのカメラは、見たものを精細かつ美しく捉えてくれる。そして、使ってみて良かったのがUI。
ズーム操作ではわかりやすく、煩わしい操作なくスムーズに切り替え可能。ズーム操作はiPhoneでの操作と似ており、倍率アイコンをスライドすることでズームに移行し、操作できる。

また、マクロモードや48MPモードへの移行がしやすく、一回のタップで切り替えができるのがとても大きい。機能として搭載されていても、操作が複雑であったり、階層が深いところにあると大幅に機能の価値は低下してしまう。


本機は強みである機能の操作がしやすいことで、上記のものがとても「使える」機能であると感じた。
QHD+と120Hz同時使用

高解像度かつ、なめらかなスクロールを実現する120Hzに対応し、それらを同時使用できるのがOnePlus 8 Proの大きな強み。
他機種では、同じように高解像度と、120Hzの両方に対応していても、どちらか一方しか使えないことが多い。OnePlusでは、美しさとなめらかさを同時に実現できるのが大きなメリット。
Badポイント
- やや高額
- microSD非対応
- 望遠カメラは平凡
- VoLTE導入が難しい
- カメラ配置がセンター
やや高額
OnePlusといえば「低価格、高性能」がウリであったが、OnePlus 8 Proはやや高額なモデルとなった。モデルを重ねるにつれ、OnePlusの価格は徐々に上昇している。
▼EOTRENで販売されている「128GB / 8GB」の価格。

しかし、ワイヤレス充電や防水への対応など、OnePlus 7 Proからの改善や強化点もあり価格増は致し方ない部分。従来より価格は高額であるが、この高機能を考えるとOnePlus 8 Proの価格は安い。
microSD非対応

microSDには非対応であることは少々残念に思う。尚且つ、ストレージの選択肢が128GBと256GBの2種類となっている。
多くの動画や写真を撮影したりする人や、ビデオファイルやマンガなどのデータを詰め込んで使うといった用途には少々厳しい。クラウドストレージなどを用いて、空き容量を確保しながら使用したい。
望遠カメラは平凡
「ペリスコープ」による望遠カメラを搭載した機種が多数発売され、これらの機種と比べると若干望遠カメラが見劣りしてしまう。
しかし、望遠カメラ自体の性能は悪くなく、3倍程度であればきれいに撮影可能だった。広角や超広角による表現も素晴らしく、カメラ全体の性能では大変満足のいく仕上がりとなっている。

VoLTE導入が難しい

この端末で一番厄介なのが「VoLTE」の有効化が面倒であることだろう。テストに使用した「LINEモバイル」では通話時に3Gになってしまった。
VoLTE通話ができないだけであれば大きな問題ではないが、楽天モバイルなど、一部のSIMではVoLTEが有効でないと通話自体ができない。
OnePlusはVoLTEを有効にするにはPCと、専用ソフトウェアを用いて設定してやる必要がある。もう少しかんたんに、スマホのみで設定できればありがたい。
▼参考サイト
カメラ配置がセンター
カメラ配置が本体のセンターに配置されることで、見た目はよかったのだが超広角カメラの撮影に気を付けなければならなかった。いつもの調子で本体を横持ちし、超広角カメラで撮影すると指が映り込んでしまう。

そのため、最初はしっかり映り込みを確認しながら撮影した。これは慣れで解決できるだろう。
おわりに:全体のバランスがいい
VoLTEの導入が面倒というのを除けば、欠点らしい欠点がないのがOnePlus 8 Proのいいところ。デザインに優れ、高い処理能力、高画質&120Hzディスプレイをもち、美しく自然な色合いの撮影や、楽しいマクロ撮影が可能なカメラに、使いやすいUI。
実機に触れてレビューしてみて、本機が人気製品であることがよくわかった。高い品質のスマホが欲しい人の候補に「OnePlus 8 Pro」は間違いない一台だ。