以前から気になっていたドローン空撮。
いつか挑戦したいなと考えていたドローンをついに購入!選んだのは2020年11月に発売された「DJI Mini 2」という小型ドローン。
DJI Mini 2にてドローンデビューし、空撮に挑戦。この記事では、私が購入したDJI Mini 2の紹介と初フライトで撮影した動画を紹介したい。
初めてのドローンにDJI Mini 2 を選んだ理由
DJI Mini 2ってどんなドローン?
2020年12月の時点ではDJI Mini 2は重量199gの小型ドローンで、200g以下となるため俗に言う「トイドローン」に分類される。
「トイドローン」はさまざまな法律の制約を受けず、自由に飛ばせる場所が多いことがメリットだ。
だが、法改正によって100g以下のものが「トイドローン」になり、DJI Mini 2は規制対象となる予定。しかし、改正までは「トイドローン」としてDJI Mini 2を楽しむことができる。
これからドローンを始めるには安定した飛行性能を持ったトイドローンであるDJI Mini 2を199gのメリットが活かせる間は、制約を回避して練習できるのだ。
規制が強化された後は、ドローン熱が覚めれば売却などで処分してもいいし、海外のMini 2に搭載される大容量のバッテリーを搭載するなどして、より強力なミニドローンとして使ってもOK。
価格も上位機種より高額なものではないので、ドローンが合わなかったり、規制によって扱いにくくなってもリスクは最小限となる。
そして、価格だけなら先代モデルの「Mavic Mini」でもよかったが、比較してみると大きく性能が異なった。
最小限のリスクで高性能かつ、規制強化後も長く楽しめそうということで「DJI Mini 2」が良いのではと考えた。
DJI Mini 2 を先代モデルと比較
Mavic Miniはかなり安く出回っているので安価に入手可能だったのだが、性能を比較すると見た目は一緒でも中身は大きく異なっていた。
DJI Mini 2の先代モデルは「Mavic Mini」というモデルで、本機では「Mavic」が名称からなくなっている。Mini 2は、199gの軽量小型ボディはそのままに、先代モデルより大きく性能を上げている。
下記はDJI Mini 2と先代モデルMavic Miniのかんたんな比較となる。
カメラ性能
DJI Mini 2 | Mavic Mini | |
---|---|---|
動画 | 4K/30fps | 2.7K/30fps |
ズーム | 4倍ズーム | 非対応 |
写真 | JPEG、RAW | JPEG |
DJI Mini 2は4K/30fpsでの撮影が可能になり、これまでできなかったズームも使用可能となった。
また、DJI Mini 2は編集に有利なRAWに対応。
飛行性能
DJI Mini 2 | Mavic Mini | |
---|---|---|
最大飛行速度 | 16 m/s | 13 m/s |
風圧抵抗 | レベル5 | レベル4 |
DJI Mini 2は飛行速度が向上したことにより、より高速での移動が可能となった。また、風圧抵抗レベルも「5」にアップ。
より安定した飛行ができるようになっているのかと考えるとワクワクする。
映像伝送
DJI Mini 2 | Mavic Mini | |
---|---|---|
伝送 | OcuSync 2.0 | Wi-Fi |
伝送範囲 | 6 km(MIC) | 2 km(MIC) |
Mavic MiniではWi-Fiによる伝送であったが、OcuSync 2.0を採用することにより障害物や電波障害のない環境では最大6kmの伝送範囲となった。
DJI Mini 2は伝送範囲が広く、自由度や安心感が高いモデルになっている。
▼参考
インテリジェント機能
DJI Mini 2 | Mavic Mini | |
---|---|---|
クイックショット | ドローニー、サークル、ヘリックス、ロケット、ブーメラン | ドローニー、サークル、ヘリックス、ロケット |
パノラマ | スフィア、180°、広角 | 非対応 |
編集機能 | 最適化フォト | 非対応 |
ダウンロード | クイック転送、トリムダウンロード | 非対応 |
高度な撮影技術がなくてもプロのような撮影ができる「クイックショット」には、新たに「ブーメラン」が加わった。
他にもパノラマ撮影やSNSによるシェアがかんたんになるクイック転送などに対応するなど、便利機能が強化されている。
これらの性能や機能差から、Mavic Miniではなく、Mini 2を入門機として選択した。
▼公式サイトのDJI Mini 2 | Mavic Mini比較記事
▼より細かな性能比較やスペックなどの参考
DJI Mini 2の外観を確認!
本体外観
▼持ち運びの際はカメラを保護するジンバルプロテクターやプロペラを固定するバンドを装着する。
▼フロント。カメラには高解像度撮影ができることを示す「4K」の文字。
このカメラは3軸のジンバルになっており、ある程度の姿勢変化でも水平を保つようになっている。
そのため、風で本体が揺さぶられてもブレのない映像の撮影が可能だ。こんなコンパクトなボディに4K撮影ができるカメラと、高性能なジンバルが搭載されていて、美しい映像を空から撮影できると考えるとワクワクする。
▼アームを格納した本体はかなりコンパクト。DJI Mini 2は手のひらサイズだ。
▼サイドには「MINI 2」のロゴ。
▼初期状態ではアームの展開順序が書かれたシールが貼り付けられている。後方のアームを先に展開すると、下に伸びたアンテナが引っ掛かり前方のアームを展開できないのだ。
▼本体底面。電源ボタン、バッテリー残量LED、障害物回避や特定条件でのホバリングに用いる3D赤外線センサーと下方ビジョンシステム、後方のLEDランプが備わる。
後方のLEDランプでは、光の点滅や、緑や赤の色により機体の状態を知らせてくれる。
また、LEDはボタンになっており、長押しすると青色LEDが点灯し、DJI Flyアプリでスマホ接続してクイック転送の機能を利用できる。
▼本体後部にはバッテリーを格納するためのカバーやUSB-Cポート、microSDカードスロットがある。
USBポートはバッテリーの充電と、PCへの接続に利用可能となっている。
▼展開した状態はこんな感じ。展開してもとてもコンパクトだ。
重量たった199gのDJI Mini 2。
手のひらサイズのおもちゃのような機体であるが、上空を自由に飛び回り美しい映像を気軽に撮影できる魅力がぎっしり詰まっている。
コントローラー(送信機)
▼コントローラー正面。持ち運びの際は操作スティックを下部に収納する。
中央には動作モードを変更するスイッチや自動帰還(RTH:Return to Home)するためのボタン、電源ボタンがある。電源ボタンは、1回押しでバッテリー残量確認、再度押して保持すると電源ONになる。
Mini 2本体の電源を入れるときも、この操作で電源投入となる。
動作モードは、ゆっくりと動作し、撮影に向いた「CINE」、通常動作の「NOMAL」、高速移動が可能な「SPORT」の3つを切り替えできる。
また、左端にはカスタムボタン、右端には写真/動画切り替えボタンがある。
カスタムボタンはDJI Dlyアプリでのカスタマイズが可能で、デフォルトではカメラの正面向き、下方向きの切り替えとなっている。
▼背面。左右には手触りの良いラバーグリップ、中央部には排熱のための開口部がある。
▼上部左側はカメラジンバルを上下調整するダイヤル、右にはシャッターボタン。
ジンバルの調整ダイヤルは左に回すと下向き、右に回すと上向きに調節でき、動作するスピードはアプリによって調整可能。
▼また、アプリで「上方ジンバルの回転を許可」を有効にすれば、上方20°まで回転させることができる。
▼そして、Fnと書かれたカスタムキーを組み合わせればズーム操作も可能で、アプリでの操作と違い、滑らかにズームが動作した。
ズームは4Kで2倍、2.7Kで3倍、1080pで4倍が利用可能。ファームウェアアップデートをおこなえば、写真モードでも2倍ズームが利用可能となった。
▼本体上部中央にはアンテナが一体となったスマートフォンを固定するホルダーが備わり、引き出すことで使用可能。
コントローラーの「RC-N1」電波は2.4GHzと5.8GHzに対応だが、規制により上空で5GHzが利用できない日本では2.4GHzしか利用できず、最大伝送距離は6kmとなる。
5.8GHzが使えると10kmとなるようなので、日本では最大能力が発揮できないのが残念だ。
▼スマホとはケーブルでの有線接続。Lightning、USB-C、microUSBの3つのケーブルが付属するのでiPhoneでもAndroidでもOK。
▼コントローラー下部。操作スティックの格納部とコントローラーを充電するUSB-Cポートがある。
▼コントローラーにはこのようにスマホをセットしてUSBケーブルを接続し、使用する。
Fly More コンボ付属のバッグ
「Fly More コンボ」を購入すると本体のほか、ショルダーバッグにバッテリー3本、バッテリー3本をセットできる充電器などが付属。
▼ショルダーバッグはプレーンでシンプルなデザイン。ポケットが多数あり、使いやすい。
▼フロントポケット。ここは小物を入れておける。iPhone 12 miniはすんなり入ったが、大きめのスマホは少し入れにくいといった感じ。
▼バッグ内部はご覧のように仕切られる。仕切りは外すことができない。
▼蓋の裏側にあるポケットは少々余裕あり。
▼仕切り手前側にもスペースがある。ここには100円ショップで購入したミニ三脚をセットできた。
▼上部ポケットに大容量モバイルバッテリーを仕込んでみると、常時充電ができて便利な環境を作ることができた。
上部ポケットには余裕があり、やや大きめである20,000mAhのモバイルバッテリーを入れても問題なく使用できることを確認。
上の画像のようにすれば、このまま蓋を閉めてもケーブルに負担が掛かることもなさそうな感じであった。
画像ではフライトバッテリーを充電しているが、コントローラーを充電することももちろん可能。
バッグの構造とUSB-Cで充電できるメリットを活かすことができ、これなら最小限の荷物で安心して飛ばせる。
3本あれば飛ばしながら他のバッテリーを充電し、3本目を使い切った後、1本目の充電がそこそこできていると言う具合。モバイルバッテリーで充電しながらフライトすれば少ない待ち時間で飛ばせた。
▼私が使っているモバイルバッテリーのレビュー。
ドローン初心者のフライト練習
ドローンを飛ばした経験がなかったので、最初はしっかりとトレーニングを行った。練習したことである程度の不安は取り除くことができる。
ドローンの練習はシミュレーターで
DJI Mini 2を購入する前にドローンを練習したのがシミュレーター。これならいくらでもどこでも練習可能で、墜落や機体を紛失する「ロスト」の心配もない。
アプリでスティックの操作を練習することにより、ドローンがどのような動きをするのかを覚えるのに役立った。
▼私が練習したのは「FPV FREERIDER」というもので、Twitterでfujihide(@hfujikawa77)氏に教えていただいた。
▼スマホやタブレットでドローンを好きなだけ飛ばして練習できる。
このアプリはAndroid版、PC版が存在する。デモで無料体験も可能だ。このアプリはなかなか楽しくて、有料版も購入してしまった。
▼Android版
▼PCはウェブサイトからダウンロード
プロペラガードを付けて屋内練習
▼私はAmazonで購入。価格は1,870円であった。
実機での初フライトは屋内でテストした。さすがにプロペラ剥き出しだと怖いので「プロペラガード」を購入。
「Mavic Mini Fly More コンボ」ではプロペラガードが付属していたようなのだが「DJI Mini 2 Fly More コンボ」には付属していないため、別途購入が必要だった。
▼購入したプロペラガード。
▼Mavic Mini用となっていたが、DJI Mini 2に問題なく取り付け可能!
これをつけて屋外での飛行前に、屋内で練習をおこなった。
DJI Mini 2はどんなところで飛ばせる?
非常に難しいのがこの問題。199g以下であっても、住宅街や公園、道路上で飛ばすというのはいただけない。
ドローン専用施設のほかに、障害物もなく大きくひらけた場所…となると、やはり海や山だろうか。
というわけで、屋外での初フライトには第3者に危害を加える恐れのない自然の中で飛ばしてみることにした。
▼DJIの公式サイトにある「ソラタビ」も大変参考になる。
山で飛ばしてみた!
屋外での初飛行に挑戦したのは山。
山頂にある誰もいない駐車場で空撮してみた。
普段は見ることができない壮大な景色を、心ゆくまで観察して持ち帰ることができる。
手のひらサイズの小型ドローンでも楽しく空撮をおこなえた。ただ、手元のコントローラーにセットしたスマホの画面では「強風警告」が時折出現。
これが出ると「自動帰還できません」とメッセージが表示されるため、ドローン初心者には恐ろしく、さらに高度をあげることはできなかった。
風に煽られて山中に墜落した場合、人や物にダメージを与えることなくても、ドローンを探すのはかなり困難。
初フライトでロスト…となるとさすがにショックは大きいだろう。
ビクビクしながらの初フライトであったが壮大な風景を満喫し、ドローン空撮の素晴らしさを味わうことができた。
この山にはスマホレビューでちょくちょく写真を撮影しに行っているのだが、DJI Mini 2でみた景色はいつもと違い、大変な感動を覚えた。
海で飛ばしてみた!
続いては海での撮影に挑戦。この撮影では透き通った美しい海や遠くに見える橋梁を撮影。
▼ドローンから見下ろす山や家屋もめっちゃ新鮮!
▼港の様子を上空100mほどの高さから撮影。小型の船舶が移動する様子や大型船舶に土を積み込む様子などが観察できた。
これらの動画でも編集して音楽をつければ、結構良い雰囲気になりそうだ。
このほか、砂浜にて家族での自撮り撮影なども、楽しむことができた。
魅力ある動画や写真を大空から撮影でき、それを自身で体験。実際に体験すると、ドローンにハマる人が多いのも頷けた。
ヒヤリハット & 失敗動画集
しっかり練習して気をつけていたつもりでも、ヒヤッとするシーンや失敗して落としてしまうことがあった。
ここでは私が遭遇した危ないシーンや墜落シーンを紹介したい。
▼こちらは岩山を一周撮影しようとしたもの。目の前の岩山に気を取られ、後方にある岩山に接触しそうになってしまった。
▼岩に空いた穴を撮ってみようと近づいたところ、突然制御不能になり激突…。
▼鳥がDJI Mini 2を狙って迫ってくる。このほかにも何度も追い回された。鳥には注意。
▼低空飛行なら安心と思っていたが、突然架空線が現れて引っ掛かりそうに。このようなケースもあることを知っておく必要があった。
▼この動画はどれくらいの風に耐えられるか試した時のもの。吹き飛ばされて枝に引っ掛かり、茂みに落下。
風に強くなったMini 2でも、ある程度の風が吹くとかんたんに飛ばされてしまうことを知った。海沿いは風が強いので注意しないといけない。
参考動画
DJI Mini 2レビュー
▼先代モデルMavic Miniとの比較も交えながら、軽量で持ち運びしやすいDJI Mini 2の魅力をレビューしている。
▼こちらのレビューでは、難しい操作なくかんたんに凝った撮影ができる「クイックショット」の様子もあり。
▼Mini 2の上位機種「Mavic Air 2」も気になるところ。価格面などでも導入ハードルは高いが、高い飛行性能は大きな魅力。
操作方法や解説
DJI Mini 2の初期設定
DJI Flyアプリの解説
Mini 2 おすすめのマニュアル撮影設定
Mini 2の空撮映像
夜景撮影
夜景撮影
墜落・ロスト
墜落やロストを防ぐには失敗から学ぶことがいちばん。これらの動画から学び、対策を考えておきたい。
DJI Mini 2レビューまとめ
DJI Mini 2のGoodとBad
- 小型で可搬性が高い
- 199gで自由度が高い
- Fly More コンボで約8万円
DJI Mini 2の大きな魅力は小型で高性能であること。先代モデルと比較し、撮影機能、飛行性能共に大きくパワーアップしていることもDJI Mini 2の魅力だ。
もちろん199gなので、2020年12月時点では飛行場所の自由度も高く高性能を満喫しやすい最後のチャンスとなっている。
価格面も魅力で、最低限のものが揃ったセットは59,400円。バッテリーがプラス2本に充電器やショルダーバッグなどが揃った「Fly More コンボ」は79,400円。
上位機種Mavic Air 2などは10万円を超える価格からとなるので、便利グッズが揃ったコンボセットであっても約8万というのは初心者であり、続けるかどうかわからない私にとって手を出しやすい価格であった。
結果、DJI Mini 2 Fly More コンボを買ってみて大満足となった。
- すぐにバッテリーが切れる
- 法改正により自由度が下がる
- 買うのはかんたんだが意外に難しい
DJI Mini 2を飛ばしてみて不安になるのはバッテリー切れ。199g以内にするための低容量バッテリーではいつ電池切れになるかと心配で、遠くに飛ばすのはちょっと怖い。
海や山で飛ばすなら199gを超えても問題ないことから、倍の容量となる海外用バッテリーを装着して解決してみようと思う。
法改正により199g以下の意味がなくなってしまうのも残念なポイント。だが、可搬性の高い最もお気軽・お手軽で高性能なドローンであることに変わりはない。
また、購入するのはかんたんだが、実際に飛ばすとなるとやや難しく、しっかりと練習する必要があると感じた。
うっかり他者を傷つけたり、物に損害を与えないようにすることはもちろん、技術を磨いて墜落やロストを防ぎ、楽しいドローンライフをおくりたい。
参考リンク
DJI ダウンロードセンター
DJI Mini 2の飛行に必要なDJI Flyアプリや、日本語マニュアルのダウンロードが可能。
- DJI Flyアプリ
- DJI Mini 2 リリースノート
- DJI Mini 2 ユーザーマニュアル
- DJI Mini 2 クイックスタートガイド
- DJI Mini 2 クイックスタートガイド (Fly More Combo)
- DJI Mini 2 免責事項と安全に関するガイドライン
- DJI Mini 2 360° Propeller Guard User Guide
- DJI Mini 2 Two-Way Charging Hub User Guide
- DJI Mini 2 Propellers User Guide
- DJI Assistant 2
製品リンク
DJI Mini 2
▼本体、バッテリー、コントローラーなどのセット。
DJI Mini 2 Fly More コンボ
▼本体、バッテリー + 2本、コントローラー、充電ハブ、ショルダーバッグ、充電器などのお得なセット。
プロペラガード
▼屋内での練習や周囲への配慮に。
タブレットホルダー
▼スマホの画面だと結構小さくて視認しにくいので、大きな画面があると便利。iPad mini 5
▼DJI Mini 2にぴったりのミニタブレット。