株式会社CIOよりGaN(窒化ガリウム)を採用した小型多ポート高出力充電器を提供いただいた。この製品は小型ながら最大65Wの高出力とUSB Type-C × 2ポート、Type-A × 1ポートを備えた「2C1A」の多ポート構成となる。
LilNobの製品情報

LilNobの仕様と価格
| LilNob 2C1A |
---|---|
型番 | CIO-G65W2C1A |
サイズ | 66×41×30mm |
重量 | 123g |
USBポート | Type-C × 2 Type-A × 1 |
入力 | AC 100-240V 50/60Hz |
出力 | Type-C ① / ②出力 (PD):65W Max Type-A 出力 (QC3.0):30W Max |
同時出力 | Type-C ① + Type-C ②出力: 45W + 18W(63W) Type-C ① + Type-A出力: 45W + 18W(63W) Type-C ②+ Type-A出力: 5V / 3A 15W Type-C ①+ Type-C ② + Type-A出力: 45W + 15W(60W) |
カラー | ホワイト ブラック |
価格 | 5,478円(税込, 執筆時点) |
保証 | 6ヶ月 |
特徴 | PD3.0対応 GaN採用で小型 3ポート同時使用可能 |
LilNobの購入先リンク
LilNobの本体外観

接続ポート部分
▼「USB-C1 / C2」ポートは最大65Wの出力を出すことができる。

最下段のType-Aは最大30Wの出力となるが、PD(Power Delivery)には非対応。高出力を得たいなら上2つのType-Cポートを使うこととなる。
3つのポートは同時に使用することもできるが、その場合はUSB-C1が45W、USB-C2とUSB-Aの合計が15Wで合計60Wの出力となる。また、USB-C2とUSB-Aの組み合わせ時でも合計15Wの出力となるため、USB-C1をメインにしてUSB-C2やUSB-Aを使うと良さそうだ。
本体側面
▼サイドには「CIO」のロゴが入る。

▼ロゴは片面のみで、反対側は何もなくシンプル。

▼本体底部には出力の仕様一覧が記載されている。

プラグ部分
▼プラグ部分は収納できるタイプとなっているので、バッグ内などでかさばらない。

▼使用時はこのようにプラグを露出させる。

サイズ感
▼高出力かつ、3つのポートを備えながらこのように手のひらサイズ。

▼小さなバッグに小型パソコンとLilNob、薄型モバイルバッテリーをIN。

GaN(窒化ガリウム)を用いることにより、とてもコンパクトな充電器になっている。これ一台あれば出先で充電器に困ることはそうそうないだろう。
小さいだけではなく高出力でPDやPPSに対応で使える機器も多く、ポートが多いので同時充電も可能。さらに、Type-Aポートもあるので、micro USBの機器やLightningケーブルも扱いやすい。
LilNobの出力チェック
それでは、LilNobがどれほど出力を出せるか実際にテストしてみよう。1番大きな出力ができる「USB-C1」ポートにPCやタブレット、スマホを接続して計測した。
スマートフォン(Galaxy S20+)
- 付属充電器:18W
- 最大受電能力: 25W
▼まずはスマートフォンに「LilNob」を接続。

▼純正の充電器同様の高出力が得られることを確認した。

LilNobでは大出力が得られるため、特に受電能力が高く付属充電器の能力が小さいiPhone 11やiPhone 8などでは恩恵が大きい。
iPad Pro 12.9インチ 2018 第3世代
- 付属充電器:18W
- 最大受電能力: 45W
▼続いてiPad Pro 12.9をLilNotbに接続。

▼30W弱の出力で推移した。十分な充電能力だ。

iPad Pro 12.9インチや11インチなどでは18Wの充電器が付属する。LilNobを用いいると、標準の充電器より大きな電力で高速に充電することができる。
MacBook 12インチ
- 付属充電器:29W
▼さらにMacBook 12インチを接続。

▼MacBookでは付属充電器と同等の出力となった。

MacBook Pro 15インチ
- 付属充電器:85W
▼最後は"規格外"の旧MacBook Pro 15インチをMagSafe→Type-C変換で接続。

▼LilNobのほぼ最大出力となる数値が計測された。

充電もできたので単体使用であればギリギリ使えそう。だが、85W充電器が付属するMacBook Pro 15インチに65WのLilNobを常用するのはきついかもしれない。
同時充電での出力チェック
単体での出力チェックの次は、目玉機能の同時充電をチェック。
MacBook Pro 15" × iPad Pro 12.9" × Galaxy S20+
- USB-C1:MacBook Pro 15"
- USB-C2:iPad Pro 12.9
- USB-A:Galaxy S20+
▼先ほど単体で試した構成から一番厳しい組み合わせを試してみた。

▼USB-C1のMacBook Proへは40W前後の供給となった。

この組み合わせだとMacBook Pro 15"への電源供給量が不足となり、頻繁に接続と切断を繰り返してしまった。ただ、同時充電でもUSB-C1へは40Wほど出力されることはわかった。
もう少し消費電力の小さなMacBook Pro 13”やMacBook Airなら問題なく使えるだろう。
▼メーカーではMacBook Pro13インチ、iPhone、AirPodsの3台を同時充電できるとあった。

MacBook 12" × iPad Pro 12.9" × Galaxy S20+
- USB-C1:MacBook 12"
- USB-C2:iPad Pro 12.9
- USB-A:Galaxy S20+
▼続いて電力的に普通に使えそうな3台でテスト。

▼USB-C1のMacBook 12"へは27Wほどを安定して供給。

▼USB-C2のiPad Pro 12.9"は11~12Wで充電。

▼USB-Aへは供給量が小さくなるが、スマホなら充電可能。

検証の結果、上記のような構成だと3台同時充電が問題なくおこなえることを確認できた。
LilNobのGood / Badなところ

Goodポイント
- 対応規格の多さ
- GaN採用で小型
- 小型なのに高出力 / 多ポート
対応規格の多さ
LilNobは乱立する複数の急速充電規格に対応している。「PPS」はもちろん、「QC」やSamsung独自の「AFC」、Huawei独自の「FCP / SCP」などに対応する。
- PPS
- PD3.0
- PD2.0
- QC4+
- QC4
- QC3.0
- QC2.0
- AFC
- FCP
- SCP
- PE2.0
- PE1.1
- SFCCP
これによって、多くのデバイスを高速充電可能となっている。
参考リンク
GaN採用で小型
GaNを採用したことによってとても小型化されている。
▼LilNobと一般的な45W充電器と比較。

LilNobは65Wと、右側の45W充電器より高出力にもかかわらず本体サイズが小さい。
小型なのに高出力 / 多ポート
また、小型でありながら、多ポートであることが大きな特徴だ。
▼LilNobと一般的な45W充電器と比較。

通常、3台の機器を充電するには3つの充電器が必要となるが、LilNobであれば1つで3つの機器を充電可能。コストはもちろん、コンセントのスペースも節約できる。
Badポイント
- 仕様が少々複雑
- プロファイル切り替え時の動作
仕様が少々複雑
LilNobにはUSB-C1、USB-C2、USB-Aの3つのポートがあり、複数ポート使用時の挙動が異なる。そのため、どの組み合わせでどのような出力を覚えておかないと、最適な充電結果を得ることができない。
「どのポートがどのくらいの出力できるのか」といったことや、製品仕様などで「充電したいデバイスの要求電力を知る」ことがうまく使うカギとなりそうだ。
プロファイル切り替え時の動作
また複数ポートの使用では、使用状況に応じて出力のプロファイルが切り替わる。例えば、USB-C1を使用中にUSB-C2やUSB-Aに機器を接続した場合、一旦USB-C1への電源供給がストップして最大の65W出力から最大45Wへの出力へと切り替わる。
時々切り替え動作がうまくいかず、うまく充電できない時がある。その場合は一旦機器を取り外して再度機器を認識させ、正しく充電されていることを確認する必要があった。
CIOのその他関連製品
CIOでは今回レビューした「LilNob」のほか充電に必要なケーブルや、小型のモバイルバッテリーなどを販売している。他にも、薄型のモバイルバッテリーや、ちょっと変わったワイヤレス充電器などをリリースしているのでチェックしてみよう。
Type-Cケーブル
Type-C to Type-Cケーブル
Type-C to Lightningケーブル
Type-Cケーブル
モバイルバッテリー
小型軽量薄型モバイルバッテリーSMARTCOBY8000
小型モバイルバッテリーSMARTCOBY10000
充電器
2ポート18W小型充電器
デスク下に隠せるワイヤレス充電器
有線充電 × ワイヤレス充電 × モバイルバッテリー
LEDデスクライト × ワイヤレス充電器
おわりに:高出力 × 小型 × 多ポートで使いやすい
LilNobは一般的な充電器と違い、大幅に小型化されただけでなく最大65Wの高出力と複数の機器を同時充電できる。小型と多ポートのおかげでコンセントはスッキリとし、高出力や対応規格の広さにより幅広い機器に対応する。
「ポートの組み合わせでどのような出力になるか」という仕様など、機械が苦手な人には少しとまどう部分もあるかもしれない。うまく充電できない時は「接続のし直し」や「ポートの入れ替え」、「接続数を減らす」といったことを試すと良さそうだ。
いろんな機器と接続してみて「LilNob」の高出力を体感でき、また、3ポートの便利さを体感することができた。小型であることもコンセントの省スペース性を高め、持ち運びの利便性も向上してくれる。
高出力、小型、多ポートの「LilNob」は、充電器を選択する上で間違いない選択肢だ。