日本では2020年3/25にiPadOSとiOS13.4の配信が始まった。今回のアップデートでの目玉はiPadOSの「マウス正式対応」で、補助機能としてのマウスではなく正式に対応となった。
iPad Pro 12.9 2018モデルをiPadOS 13.4にアップデートしたところ、確かにこれまでとは違い快適にマウス操作がついにできるようになった。細かな不具合が修正された13.4.1も配信されている。
マウス正式対応が活きるMagic Keyboardも発売され、レビューもおこなった。以下の記事も一緒にご覧いただきたい。
もくじ
iPadOS, iOS 13.4のアップデート情報
Apple公式サイト
iOS 13
iPadOS 13
アップデート方法
大手メディア
engadget
iTmedia
窓の杜
YouTube動画
Yuka Ohishi
Apple製品のレビューを数多く手掛ける「Yuka Ohishi」氏の動画。iPadOS 13.4でApple純正のマジックマウスやトラックパッドでのジェスチャー操作対応について説明や、私も使用しているロジクールの多ボタンマウスMX MASTER 3での操作について説明している。
Leo Tohyama
こちらの動画でも「MX MASTER 3」をiPadにペアリングし、ボタンへの機能割り当てを解説している。
機能割り当て自体は13.4以前からできたが、解説がわかりやすい。
まみよし
「まみよし」氏の動画ではiOS 13.4とiPadOS 13.4について解説している。
iPadOSとiOSをアップデートする
アップデートにはしばらく時間が掛かり、その間端末を使用できない。また、バッテリー残量が十分でないと実行できない。
時間に余裕があり、十分なバッテリー残量または、充電できる環境で作業を実行しよう。
iPadOS 13.4をインストール
アップデートは「設定アプリ」を開いて「一般」→「ソフトウェア・アップデート」をタップする。
▼適用できるアップデートが確認できたら「ダウンロードしてインストール」をタップ。

パスコードを入力するとダウンロードが始まる。iPad Pro 12.9 2018での容量は「890.4MB」と少々大きめだった。
▼ダウンロードが開始されるのでしばらく待とう。

▼ダウンロードが完了したら「今すぐインストール」で実行。

自動的にiPadが再起動され、作業は完了となる。
iOS 13.4をインストール
▼「設定アプリ」を開き「ソフトウェア・アップデート」を確認後「ダウンロードしてインストール」をタップしよう。
パスコードの入力を求められるので入力し、ダウンロードをおこなう。iPhone SEでの容量は「773.8MB」であった。
▼「今すぐインストール」をタップすれば更新が実行される。

iPadOS 13.4を使ってみた
マウスポインタの変化
▼試しにロジクールのマウス「MX MASTER 3」をBluetoothで接続してみた。

これまでは「AssistibeTouch」を有効にすることで補助機能としてマウスポインタが表示されたが、iPadOS 13.4ではマウスを接続するだけでポインタが表示された。
表示されるサイズも以前より小型になり、目的の対象にポインタを当てやすくなっている。
▼さらに、アイコンなどにポインタを持っていくとハイライトされる。

この機能は「アクセシビリティ」→「ポインタコントロール」→「ポインタアニメーション」の設定から無効にすることができる。MacやWindowsなどの一般的なPCに慣れていると、無効の方が扱いやすいかもしれない。
▼右クリックもきちんと役割を果たしている。

▼文字を入力できるフィールドでは、「 I 型」に変化。

MacやWindowsとはまた違ったマウス操作を体験でき、なかなか面白い。iPadがより一層PCライクになった。
MX MASTER 3のボタンに動作割り当て
▼ロジクールの多ボタンマウス「MX MASTER 3」では5つのボタンに動作を割り当て可能。

設定アプリから「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistibeTouch」→「AssistiveTouch」を有効に設定→「デバイス」→「MX Masrer 3」で変更可能。

▼「追加のボタンをカスタマイズ」をタップして、マウスボタンを押すと5つ登録できた。

▼しかし、割り当てできる機能に「戻る」と「進む」がない。

▼だが「スクロールジェスチャ」には右 / 左ににスクロールできる機能が。

これを使って、ブラウザでは戻ると進むができなくはないが、なぜかボタンを押してから動作するまで5秒ほど待たされる。残念ながらこれでは使い物にならないので、他の機能を割り当てして使った方がよさそうだ。
完全な対応とはいかないものの、iPadではMX MASTER 3で快適に操作できる。
キーボードを接続
マウスポインタが大きく進化したiPadOS 13.4。キーボード関連の変化も確認してみた。
ライブ変換
Macでお馴染みのライブ変換が使えるようになってた。最初は慣れないライブ変換も慣れてしまうと入力がかなり楽チン。
Mac使いの人にもぜひ「じっくりと」使ってみてほしい機能だ。慣れるとわざわざスペースキーを押して変換するのが煩わしく感じるようになる。
個人的にiPadでの文章作成機能は「ライブ変換」で大きく向上したと感じる。
修飾キー
▼こちらもMac同様に修飾キーのカスタマイズが可能に。

MacやMagic KeyboardのUS配列のキーボードなどでは「A」の左側に「Caps lock」キーがある。このキーを「Control」キーと入れ替えするなどして、使い勝手を良くするカスタマイズが知られているが、iPadでもできるようになった。
外部キーボードはやはりUS認識
「もしや、外部キーボードでも日本語配列が使えるのでは」と日本語配列の「HHKB」を接続してみると、相変わらず英語キーボードとして認識されてしまった。@キーを押すと「 が入力されてしまう。やはり日本語配列を使用するにはiPad専用「Keyboard Folio」か、5月発売のiPad Pro用「Magic Keyboard」を使用しなければならないようだ。
私の使用しているiPad Pro 12.9 2018だとKeyboard Folioが22,880円(税込)、Magic Keyboardが41,580円(税込)と強烈な価格だ。長年にわたり、いろんな機器でも使えるHHKBのような外部キーボードならまだしも、専用品で世代が変わると使えなくなるものに4万円というのはなかなか厳しい。
このような製品は、型落ちになるとガクッと価値が下がってしまう。ただ、iPadでバリバリ執筆作業をやってみたいし、トラックパッドも使いこなしてみたい。
かなり悩ましいところだ。
ブログ執筆で使いやすくなった
試しにブラウザアプリ「Chrome」で「WordPress」の編集画面を操作してみると、これまでできなかった「スクロール」ができるようになった。これまではドラッグ操作でしかスクロール出来なかったが、マウスホイールでスクロールできるようになり、ついにPCと同じ感覚でブログ執筆ができるようになった。
きちんと「マウスポインタ」として動作し、マウスオーバーが効くようになったことでようやくブログ執筆マシンとして使うことができそうだ。
ちなみにAndroidでは普通にできていたことなので、もっと早く対応して欲しかった。
おわりに:小さいながら大きな変化
今回のアップデートはメジャーアップデートではないものの、ついにマウスの正式対応という大きな変化があった。マウスの正式対応によって得られる効果は大きく、いよいよ単体でも活躍できそうな日がやってきたと感じる。
iPad ProとMagic Keyboardがあれば、外出先や膝上での作業も難なくこなせそうだ。あとは、自宅で快適に作業できるよう、マウスの戻る / 進む、外部キーボードでの日本語配列サポート、外部ディスプレイのサポート強化に期待したい。