「デジタルデトックス」をして、心も体も絶好調になった。
調子に乗った私が次に考えたのが「ガラホ (Androidベースのガラケー) への挑戦」。
デジタルデトックスの挑戦では、スマホの中にある不要なものをどんどん捨てて、自分の時間が増えていくのが体感できた。
そこで、「ガラホにすれば更に不要部分を取り除くことができるのでは?」と考えたのだ。
ガラホについて調べてみると、Android OSベースであることから、工夫すればアプリのインストールも可能であることが分かった。
これなら、もっとギリギリの使いにくさにできるかもしれない。
スマホとしての利便性を大きく下げ、程よく使いにくければ、スマホを使いたい意欲をもっと低下させられる。
ガラホはカスタマイズを困難にしてあるため「自分の欲しい機能だけ使える」ガラホを作ることはなかなか難しいが、乗り越えた先には明るい未来が待っている...かもしれない。
もくじ
京セラのGRATINA(グラティーナ) KYF39を購入!
ということで、ガラホデビューとして購入したのが、京セラがauから発売していた「GRATINA KYF39」。
このモデルはAndroid 5.1.1ベースとやや古めとなるが、比較的安価に入手可能だった。
価格は安価だったが、自分が必須と思う機能は大体満たしていたので、実用にトライしてみた。
懐かしい外観だが、現代の機能も使える
▼KYF39はコンパクトな折り畳みケータイ。

▼とても懐かしさの漂うスタイルで、今見てみると新鮮だ。

▼しかしながら、充電ポートはなんとUSB Type-Cで最新式。

▼バッテリーは交換可能となっており、新旧のいいところが混ざっている。

本体は防水防塵構造で、メーカーウェブサイトでは「IPX5/IPX8の防水、IP5Xの防塵性能」とされている。
▼Wi-FiやBluetoothまで搭載!

ブラウジングやLINE(通知不可)も使える
▼Wi-Fiに接続すると、ブラウザでサイト閲覧もこなせる。検索はもちろん、Gmailなども閲覧可能だ。

▼LINEアプリもプリインストールされており、テキストメッセージや通話機能が使える(ただし、通知ができない)。

このモデルはLINEの通知ができなくなってしまったのが痛いと思ったが、よく考えるとそもそもデジタルデトックス目的であり、即座にレスを返すことを重要視していないので問題なさそうだ。
SIMは「povo2.0」を利用。楽天モバイルは通話ができず

SIMは当初、0円維持ができる「楽天モバイル」を利用しようとしていたが、SIMロックを解除してAPN設定をおこなっても、通信はできるが、通話はできなかった。
また、楽天LINKは、Android7.0以降という要件を満たしていないため、こちらも使うことができず。
KYF39は、楽天モバイルを使用するのに必要な「バンド3」と「バンド18」を備えているので、対応バンドでは問題ない。
しかし、なぜかどうやっても通話機能は使えないとのことで、0円で維持することが難しく悩んでいたのだが、そこにすい星のごとく現れたのが「povo2.0」。
povo2.0は、「トッピング」にて好きなデータ通信量を追加したり、通話し放題を追加したりできるのが特徴。
であるが、追加しない場合は128Kbpsでのデータ通信と30秒22円での通話やSMSが利用できる。
そして、トッピングしない場合の維持費はなんと「0円」。
もちろんau系のネットワークになるので、auのガラホであるKYF39にもバッチリと対応している。
ということで、さっそく申し込んでKYF39にて通話と通信を使用することができた。
楽天モバイルの番号に掛かってきた電話は、ひとまず着信転送機能を使ってpovo2.0に転送することとした。
私の場合は、とりあえずこれで問題なさそうだ。
カメラ・アラーム・懐中電灯など便利な基本アプリを搭載、マルチタスクも対応
KYF39の基本的なアプリをチェックしてみると、「ブラウザ」のほか、800万画素のカメラによる静止画、動画の撮影が可能。
また、カメラ用LEDを使った「懐中電灯」アプリや「アラーム」などの基本的なものも、もちろん備えている。

驚いたのは「マルチタスク」への対応で、ホーム画面で「下キー」を長押しするとアプリ履歴一覧が現れ、アプリを即座に切り替えできるようになっていた。

ただ、ホームに戻ろうとすると、「終話キー」を押下する必要があり、これを押すと使用中のアプリは終了してしまう。
私は後述するアプリのインストール方法により「Button Mapper」というアプリをインストールし、「マナー/シャッター」キーに「ホーム」を割り当てして問題を回避した。
▼「ボタンを追加」で「 マナー/シャッター 」を押し、「CAMERA」ボタンが検出された。

▼「一回押し」「二回押し」「長押し」に好きな動作を割り当てできる。

なぜかときどき一回押しでもマナーモードになったりするので、長押しは「標準」のまま、マナーモードを切り替えできるように設定。
このカスタマイズをすると、使用中のアプリを終了させずにホーム画面に戻れるのでアプリの切り替えが便利になった。
ベースのAndroidはちょっと古めだがアプリ結構インストールできた
最初のアプリ導入にはコツが必要だったが、ADBなどを使わなくてもアプリをインストールすることができる。
▼こちらの記事に詳しい解説があり、参考になった。
上記記事の方法を参考にして「Edge」などの他社製ブラウザをインストールすると、「APKPure」や「APKMirror」といったapkファイルの配布サイトから直接ダウンロードしてアプリのインストールもできた。
Google MapやSpotifyも楽しめる
試しに「Google Map」や「LINE Lite」、「Spotify」などを入れてみると問題なく利用することができた。
▼なぜか英語表記になっているが、Google Mapが動作。

地図の尺度は十字キーのセンターを長押ししてスクロールモードにしたあと、センターキーを押してすぐに「上キー」を押すと広域表示、センターキーを押してすぐに「下キー」を押すと詳細表示にできる。
▼Spotifyで音楽も聴ける。

音声は通話用スピーカーが兼用になっており、音質もそこそこいい。
Bluetoothイヤホンを使って音楽を楽しむことも可能だった。
各アプリの操作はタッチパネルに対応していないのでポインターを十字キーで操作することになり、操作性は悪い。
しかし、これくらいの不便さがデジタル機器の依存から守ってくれそうだ。
ちなみにYouTubeはこちらのアプリを試すと利用でき、動画を楽しむことも可能だ。
便利なアプリは結構インストールできるが、一般的なスマホと違ってアプリの操作性はよくないのでガシガシ使う気にはなれないのがちょうどいい。
楽天payやpaypayは使えず
ブラウジングをはじめ、LINEなどの実用系アプリはそこそこ使えるのだが、残念ながら決済系アプリは使うことができず。
FeliCaが非搭載なので、おサイフが使えないのは仕方がないが、QRコード決済のアプリもAndroid 5.1.1では利用することができず。
執筆時点では、これらのアプリはAndroid 6.0以降出ないと利用できないようで、実際にアプリをインストールしても動作しなかった。
スマホ決済を利用したい場合は、「KYF42」などのAndroidバージョンが新しい後継モデルを用意するしかなさそうだ。
おわりに:程よく不便でいい感じ。
実際に手にとって使うまでは「本当に使えるか?」といった不安や「不便すぎるのではないか」といった不安があった。
だが、実際に使い始めてしばらくすると、「程よく不便でまあまあ使える」といった具合。
さらに、カスタマイズをおこなったことで、必要なアプリを使うことができた(決済アプリを使えないのは残念だが)。
当初の目論見通り、「スマホ」と「ケータイ」の中間的な機能を備えたデバイスを手にすることができ、大変満足だ。
「便利すぎる」スマホとは距離を置き、デジタルとの距離感が程よい「ガラホ」。
余計なものが排除されたガラホに少しトッピングを加えれば、現代のテクノロジーをいいとこ取りして、デジタルライフがより豊かになりそうだ。