使用してしばらく経つiPad Pro 12.9の第3世代。実際に使ってみて、私が感じた向いた用途と向いていない用途などを述べたいと思う。
iPad Pro 12.9 第3世代(2018)の情報

iPad Pro 12.9 第3世代(2018)のスペック抜粋
OS | iPadOS |
ディスプレイ | 12.9インチ 2,732 x 2,048 |
カメラ | アウトカメラ : 12MP ƒ/1.8 インカメラ : 7MP ƒ/2.2 |
バッテリー | 36.71Wh |
SoC (CPU) | A12X |
内蔵メモリ (ROM) | 64GB, 256GB, 512GB, 1TB |
内蔵メモリ (RAM) | 4GB, 6GB(1TBモデル) |
重さ | 631g(WiFiモデル) |
Wi-Fi / Bluetooth | 802.11ac / v5.0 |
SDカードスロット | - |
iPad Pro 12.9 第3世代のベンチマーク : 驚きの処理性能!
iPad Pro 第3世代に搭載される「A12X」のスコアはかなり高く、3Dゲームや動画編集なども快適におこなえる。
Antutu Ver8

Geekbench 5

iPad Pro 第3世代の美しいデザイン
正面
ホームボタンを排し、ベゼル幅が上下左右同じとなった美しいデザイン。

フロントカメラ・センサー
ディスプレイ上部にはカメラやセンサーが並ぶ。ロック解除は「Face ID」のみ。
カメラの前に顔をもっていかないといけないので、Face IDだけでは少々不便に感じる。

背面
フラットで美しいデザインとなった背面。先代より大きくデザインが良くなった。

リアカメラ
性能は向上しているが、唯一残念なのがリアカメラのでっぱり。ケースを付ければ、フラットにすることはできる。

上部
本体上部にはスピーカーやマイク、電源ボタンが並ぶ。

下部
本体下部にもスピーカーが2つ。そして、USB Type-Cポートと、その上にはSmart Keyboard Folioの接続端子がある。Lightningではなく、Type-Cなので一般的なType-Cのハブや充電器が使いまわせるのがうれしい。

スピーカーホール
きれいに並んだスピーカーホールからは良好な音声が出力される。Apple製品の内蔵スピーカーはとても音がいい。
本体の厚みにも注目で、かなり薄くなっている。手にもった感触もすばらしい。

左側面
こちら側にはボリュームボタンと黒い磁気コネクタ部がある。磁気コネクタにはApple Pencil第2世代を接続し、充電することができる。
以前はとんでもない充電方法だったので、大きな進化だ。

右側面
右側面にあるのはマイクのポートのみ。側面のデザインもフラットで、とても美しい。

iPad Pro 12.9第3世代をいろんな用途で使ってみた感想
iPad Pro 12.9第3世代を使って「向いている」と思ったことと、個人的には「向いていないな」と思ったことを書いた。
ブログを書く

BluetoothキーボードやKeyboardFolioを使うと文字のタイピングは容易になる。さらにiPadOSにアップデートすればマウスを使用することもできる。
しかし、そこそこ快適に執筆作業はできるものの、ブラウザでマウスオーバーが使えなかったり、ひざ上でマウスが使えないなど、iPad Pro 12.9インチでのブログ執筆作業は「PCのほうが楽」という感想だ。
テキストエディタアプリを使って文章を作成する人なら、とくに問題はなさそうだ。
電子書籍の閲覧


大きなディスプレイは、雑誌を快適に読むことができる。第3世代のiPad Proはベゼルも細く、雑誌を表示させた全体の見た目にも満足できる。
ただ、大きいことはデメリットもあり、長時間持っているのはつらい。一般書籍の閲覧は大画面の必要性をあまり感じない。
一般書籍では7インチ程度のデバイスが表示領域やデバイスの軽さ、持ちやすさで優れていると感じた。
手書きノート

Apple Pencilとの組み合わせにより、かなり書き心地のいい手書きができる。「OneNote」を使用することによりSamsungのスマホである「Galaxy Note」で手書きしたノートを共有することも可能だ。
Apple Pencil2による書き心地はとても軽快で、OneNoteによるブログメモやアイデアの管理もやりやすい。これまではEvernoteでテキスト入力していたものを管理していたがOneNoteならインストール台数に制約がない。
Galaxy Noteでの手書き時も筆圧に対応し、インストール台数に制約もないOneNoteは手書きデバイスのベストアプリだろう。
手書きによるノートの作成や、絵の描画などはiPad Pro 12.9に向いた作業だと感じる。
iPad Proを使うなら、Apple Pencilは必須アイテム。ちなみにiPad Pro第3世代では初代のApple Pencilは使えず、Apple Pencil第2世代しか使えないので注意。
Sidecarでサブモニターにする

当ブログで多数の記事を公開している機能である「Sidecar」はとても有用な機能で、Macのサブモニターとして驚きの描写性能を発揮する。
Wi-Fi接続が低速になる問題はあるが、ワイヤレスでの接続時もかなり低遅延で使うことができる。ケーブルでの接続なら遅延、充電、Wi-Fiなど全て問題なく接続可能だ。
比較的新しい機種には限られるが、MacBookなどと一緒にモバイルするのにとても相性がよく外出先でのデュアルモニター構築に最適。iPad Pro 12.9なら、高機能なモバイルモニターとしての役割も十分に果たしてくれる。
動画の視聴

大画面で高画質なのはもちろんのこと、動画に重要なのは「音質」だ。音質が良好であれば多少小さい画面でも大きな迫力を得ることができる。
iPad Pro 12.9第3世代の4スピーカーは小さいながらも高音質で、高音から低音までバランスよく出力され聞き取りやすい。iPhoneやMacでもそうなのだが、Apple製品では内蔵スピーカーの音質がいいのが特徴だ。
ディスプレイは良好な発色であり、iPadシリーズ最大。高音質な内蔵スピーカーも手伝って、iPad Pro 12.9は動画鑑賞に最も最適なiPadだろう。
写真の表示と編集

写真の表示もiPad Pro 12.9の得意分野だと感じる。大きな画面で美しい表示、気になる部分はタッチ操作で拡大・縮小が簡単。
標準搭載の写真編集機能でも、明るさ調整やトリミング(切り取り)などはもちろん、角度の補正もすることができる。調整操作もやりやすく、写真編集があまり詳しくない私でも簡単に操作することができた。
写真の転送はソニーのデジカメであるDSC-RX100M3からは「Imaging Edge Mobile」で、Androidスマホからは「PhotoSync」で無線転送すれば簡単にiPad Pro 12.9に表示させることができる。
さらに「Googleフォト」を使えば写真を複数のデバイスと自動同期することも可能だ。写真サイズが無制限だと有料だが「高画質」だと無料でいくらでも保存してiPadとインターネット環境があればいつでも撮影した写真を楽しめる。
また、iPad Pro第3世代はUSB Type-Cを搭載したので、百円ショップのType-C to A変換アダプタを使えばUSBメモリや、SDカードリーダーからも写真やデータの受け渡しができるようになっている。

Adobeの「Photoshop」にも正式に対応し、高度な編集も期待できそうなiPad。iPad Pro 12.9は写真好きの優秀な相棒となってくれる。
まとめ
iPad Pro 12.9に向いている
- 動画鑑賞
- 写真の管理や編集作業
- Macのサブモニター(モバイルモニター)
- 手書きノート
- 雑誌の閲覧
iPad Pro 12.9にあまり向いていない
- ブログ執筆(ブラウザの場合)
- 一般書籍の読書
いいところ・いまいちなところ
いいところ
- A12Xの圧倒的な処理能力
- 色鮮やか・120Hzのディスプレイ
- 狭額縁、四辺統一
- 高い質感とデザイン
- 薄くて手に持つとたまらない感触
- Apple Pencilの良好な書き味
- Type-Cポート
- Apple Pencilの充電方法改良
- 内蔵スピーカーが高音質
- iPadOSでマウスが使える
- Sidecarでサブディスプレイ化できる
- サポート体制が万全
いまいちなところ
- 本体が高額
- Smart Keyboard Folioが高額
- Smart Folioが高額
- Apple Pencilが高額
- AppleCareが高額
- 指紋認証なし
- イヤホンジャックなし
- 日本語入力が賢い()
- 日本語キーボードが英語キーボード扱い
- ずっと手に持つのはつらい重さ
- Smart Keyboard FolioじゃないとJIS配列が使えない
iPad Pro 12.9 第3世代のアクセサリ

Smart Keyboard Folio
外出先でライディング作業をするなら欲しいのがこのアイテム。iPad Proと一体になるのが魅力。
Smart Folio
フリップタイプのカバー。普段使いはこちらが軽く、使いやすいだろう。
Apple Pencil
iPad Proを使うなら持っておきたいアイテム。私はノート用に愛用。
充電器 : RAVPower RP-PC112
GaN採用の61W小型充電器。iPad Proでは28Wほどで充電できるようで、付属品より能力が高い。
モバイルバッテリー : RAVPower RP-PB186
小型ながら29Wの高出力のモバイルバッテリーで、iPad Proを高速充電できる。実測で26.6Wほどの出力を得ることができた。
保護フィルム : エレコム TB-A18LFLFIGHD
防指紋加工の施されたフィルム。光沢と非光沢が選べる。写真の表示をするなら光沢のほうが良さそう。
保護フィルム : PCフィルター専門工房 ペーパーライクフィルム
ペンの書き心地を追求するならこのフィルム。摩擦が高くなりペンの書き心地が上がるが、ペン先の消耗は速くなる。
Apple Pencil交換用ペン先
Apple純正の交換用ペン先は初代と第2世代のApple Pencilに対応している。
おわりに : 所有しているだけで高い満足感

iPad Pro 12.9ではPCがなくてもいろんな作業ができるが、向いていることと向いていないことがある。ただ、ブログの執筆作業などはアップデートやアプリの改善により、やりやすいと感じるレベルまで改善する可能性がありそうだ。
得意分野と不得意分野があるものの、やろうと思えば工夫次第でいろいろできる。そして、iPad Proの魅力は「できること」だけでなく、美しい外観と持った時の質感や薄さも大きな魅力だ。